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メール配信業界解剖 メール配信業界のキーパーソンが語る ニッチメディア特別座談会

ニッチメディアニュース編集部では今回
「メール配信システム・ASP会社情報.com」でご掲載いただいているメール配信企業3社のトップを招き、
今後の業界動向、企業戦略等を座談会形式で語っていただきました。

トライコーン株式会社 取締役 花戸 俊介氏 株式会社アルトビジョン
代表取締役 椎葉 宏氏 エイケア・システムズ株式会社
代表取締役 有田 道生氏

1994年 明治学院大学社会学部卒。 同年株式会社レナウン入社。 企画・生産などに携わりながら、同じ文面のFAXを複数の得意先に送る販促手法を考案・実践する。
1999年 当時メールマーケティングの原型ともいうべきビジネスをスタートしていたトライコーン株式会社と運命的な出会いを果たし入社。現在同社取締役。 35歳。

アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア)戦略グループ コンサルタント、ネットエイジ事業開発担当執行役員を経て、アルトビジョン設立。
メールマーケティングやモバイルプロモーションの領域を中心に、総合的な支援サービスを行っている。京都大学経済学部卒。

早稲田大学大学院 理工学研究科修了
株式会社三菱総合研究所在職中に、テキサス州立大学 オースティン校にて、テクノロジーコマーシャリゼーション修士号を取得
平成11年  現エイケア・システムズの前身となる株式会社ヘルスケア ネットを設立。
現在は、メールの信頼性を向上させる「確実に届く」メール配信技術を開発し、 一方で携帯メールの利用システムから活用方法まで一括提供するなど、企業と顧 客とのコミュニケーションを支援。

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第3回 メール配信業界の課題

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このメール配信業界も市場が出来てから、随分と経ちますが、現状の課題はどんなところにあると思いますか?

有田:

今までは「送れればいい」という話だったと思いますが、今後は、「効果」といったところが、かなり重要視されてくると思いますね。特に最近はスパムフィルター問題があります。個人でフィルターを入れている分には致し方ないと思いますが、会社によってはライバル企業からのものは受け付けないなんてのもあるみたいですし。

椎葉:

たしかにその問題は業界全体で動いていかないといけないと思いますね。

花戸:

特にフリーメール系は大変ですね。なかなか届かないときもあります。

有田:

逆にアメリカでは「これはスパムフィルターを通さない」といったホワイトリストを作ってますよね。

椎葉:

日本ではまだまだ各社がそれぞれ対応している段階で、アメリカのようにリストを作って提供しているようなサービスはあまり聞かないですからね。

有田:

またアメリカの例ですが「ボーンデッドセンダープログラム」というメール信認サービスがあります。これは、送信元の「評判」管理データを第3者機関が審査を行ない、正規のメールであることを保証する技術情報をメールに添付するサービスですね。日本でもやり始めているみたいですけど、なかなか浸透するまでには至ってないですね。

花戸:

我々にとっても、送信者認証は死活問題ですね。

有田: だって、ユーザが本当に欲しがっている情報までも排除されている可能性があるわけじゃないですか?そこは今後、問題になってくるであろうし。ただ、逆にそこに対してソリューション提供をしていくのはビジネスチャンスでもありますよね。
椎葉:

ただ、一社で提供できるものでもないし、メール配信企業がそれをやるべきかというと、それこそ「広告代理店がメディアを持つか」みたいな話と一緒で、コンフリクトするというか、難しいところですよね。

有田:

日本だと、国が中心となってまとめてもらうとかしないと難しいかもしれないですね。

花戸:

日本市場でEV証明書の普及等に尽力されている日本電子認証協議会さんあたりでS/MIMEを盛り上げていただければなあと。我々も昨年S/MIME配信機能を搭載しましたが、まだまだ問い合わせがポツポツといった感じですね。

椎葉:

証明書についてはユーザ側にきちんと理解してもらう必要があるので、認知までに時間がかかりますよね。企業の担当者レベルだったら説明して回れますが。

花戸:

ただ企業はS/MIMEを利用することで「これで会員数が減ると嫌だ」とか、顧客からのクレームに懸念されることもあったりするみたいです。

椎葉:

証明書の理解が得られていないと、「見たことないものが添付されているけれども大丈夫か」とかね(笑)

花戸:

夏にたくさんセミナーを開催しましたが、我々一社だけでは、なかなか難しいなと感じましたね。

椎葉:

銀行や証券会社では、すでに自社の顧客への配信には利用し始めているところも出て来ていますが、まだ一般的ではないですよね。

---

そうした負担を抱えつつも、それを価格に反映させることが難しいのは、悩ましいところですね。

椎葉:

そのようなサービスの提供で料金を上げるのは難しいですが、一方で我々の業務リスクは、ここ数年で確実に上がっているんですよね。
逆にそれが参入障壁になっている面もありますが。「この料金でサービスを提供していて、もし何かあったときにはこんな賠償額!」みたいな。月5万円で受けておいて、もし何かあったら何億円単位で請求される場合があり得ますからね。

花戸:

例えば、テレビCMと連動したメール配信なんて、ちょっと緊張しますよね。

有田:

生放送のテレビ番組と連動とか(笑)

椎葉:

弊社で以前お手伝いさせていただいた案件でテレビ画面に7秒間空メールアドレスを表示させるものがありました。データベースに直接書き込むと、その間のトランザクションが大きくなり、データベースがダウンする可能性があるので、都度ファイルに書いていき、それを後にデータベースに書き込む方式を取りました。
また、テレビの場合は予測が難しいですね。どれだけの人が観ていて、そのうちどれだけの人が送ってくるか、想定している数字を少し変えるだけでも、「これ1分間に1万件じゃなくて、10万件じゃないの?」みたいな話になりますから。

何千万円の広告をスポットで買ったけれども、受け皿になるシステムがダウンしてしまってアドレスを集められなかった、というようなことになったら、広告費の部分まで含めて保障の話になる可能性もありますよね。

個人情報保護については、もし何かあった際には、管理体制が悪かったなどの落ち度がある場合が多いと思いますが、それでもやはり、料金とのバランスを考えると、ビジネスとしてはツライですよね。しかも、そのリスクは、ここ数年でどんどん高まっていますしね。

花戸:

本来はテレビと連動した配信で完全な可用性を求めるならば、数万円とかの単位のASPじゃなくて、それこそ専有環境でやるべきものだと思うのですが、予算もあるでしょうから。

椎葉:

時々「システムがダウンしてもいいから、サービスを提供して」というような話もありますが、ASPの怖いところで、一社向けのサービスの負荷が高まって全体のシステムがダウンしたりすると、とんでもないことになりますからね。

有田:

共有してますからね。

椎葉:

いろいろな対策はもちろん講じるわけですが、ある程度まで堅牢なシステムを構築して、最後にもう一つレベルを上げるとなると、それはそれで・・・

花戸:

そこはコストとの兼ね合いというか、我々にとって直近の課題として付きまといそうですね。

--- 大変貴重なお話、ありがとうございました。業界としての課題はまだまだ多いですが、今後の皆様のご活躍を期待しております。
第1回「現在のメール配信システム市場」第2回「メール配信業界におけるサービス提供の違い」

「メール配信システム・ASP会社情報.com」はこちら


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