特集:広告・マーケティング業界キーパーソン”リレー”インタビュー

Webプロモーション自体がWebに縛られる
時代はもうすぐ終わる! 株式会社サイバー・バズ 代表取締役社長 宮崎 聡 氏

御社の事業概要を教えて頂けますか?

 弊社は、一言で申しますと、CGMを活用した口コミマーケティングの支援事業を行なっております。そのなかでも様々なモデルがありますが、一番注力している事業としては、CGMの中で非常に影響力のあるインフルエンサーという方々を、独自にスカウトし、約1000名程囲っており、そのインフルエンサーと商品やサービスを使ってみて欲しい企業さんをマッチングさせるというビジネスを行なっております。サービス名は、社名でもあります「CyberBuzz」です。

御社は設立が昨年4月にも関わらず、すでに東京の本社だけでなく大阪支店まで開設されてますが、これは、口コミマーケティングの需要がそれだけあるということでしょうか?

 そうですね。現在、約150社程お取引させて頂いてまして、その内の半数以上が、広告予算の大きいナショナルクライアント様です。しかも、そこからかなりリピートも頂いてまして、ナショナルクライアントだけで見てみますと、既存のマスコミュニケーションだけでは、なかなか立ちゆかなくなってきてたり、新しいマーケティング勝負をずっと模索されてはいるので、その中で上手く、口コミが広告業界全体でのトレンドとして利用されている、といった状況でしょうか。

元々、口コミマーケティングは今に始まったことではないと思いますが、今これだけ注目されている背景にはどんなものがあると思われますか?

 やはりCGM人口が1000万人を超えてきたことは大きいのではないでしょうか? 今までも、口コミは「主婦の井戸端会議を活用しましょう」っていう会社もあれば、「渋谷の女子高生中心にやりましょう」っていう会社もありました。井戸端会議的な中にクチコミがあって、日常生活のなかで緩く拡がっていくイメージがあったんですけど、これがCGMの急拡大でクチコミの広がる量とスピードが急速に高まったので、一気に注目を集めたんですね。さらには、CGM市場の拡大で消費者自身の消費行動モデルも大きく変化を遂げてきており、これがマス広告でのキャンペーン一辺倒だった時代を崩壊させたといえるでしょう。ちなみに、「キャンペーン」という言葉には「(軍事作戦上用語で)空爆」という意味があるんですね。要は、消費者がいて、企業が、マスの広告やマスメディアを使って、消費者に対するイメージをバラまけば、消費者はその情報をもとに比較する術とかが乏しかったので、「美味しい」と言えば「美味しい」と信じるしかない時代があったんですよ。

 しかしCGMの開設者が日本に約1500万人以上存在しますし、閲覧者と合わせると足元で4,000万人位はいるんですね。日本の三分の一の人口はCGMを積極的に利用し、個人が自由に情報発信可能なメディアを持っていることを考えると、企業が「美味しい」と言っても、「本当にそうなの?」って思うことがあった時に、今までは周りの人に「買った?買った?」って聞いても買ってないから、取り敢えず企業を信じて買う時代だったのが、例えば、「@cosme」や「価格.com」や「Yahoo!映画」などの情報比較サイトやブログ・SNSなどを見て、「あの商品は信頼できる人が不味いって書いてあるから、不味いんじゃないかな」って、買わなかったり、ちゃんと消費者の納得の上に消費がなされる時代に変化を遂げつつあります。

 私ははよく映画を観るんですが、3、4年前までは「この夏、一番感動しました」といったテレビCMたくさんあったじゃないですか?でも、実際、映画館行ったら泣けない映画が沢山あったんですよ。でも、今は「Yahoo!」の映画とかってかなり進んでいて、一作品あたりで多いものだと数千件のレビューがあり、観た人がいち早くその映画に対して感想を書き込み、新たな口コミとして他の消費者に共有してくれます。要は、ユーザの行動が自分の中で納得できる情報に触れアクションし、その結果を自発的にシェアするという大きな転換を迎えたということでしょう。

ただ、悪い口コミが伝わってしまう場合もありますよね?御社としてはクライアントからお金を貰ってビジネスとしてやっている以上、極力、それは避けたいところだと思いのですが、そのあたりはどのようにコントロールされてますか?

 弊社の口コミマーケティングサービス「CyberBuzz」という商品を使ってプロモーション頂く顧客企業様には、「ユーザーが実際に体験を伴って、ヤラセじゃなく書くので、良い口コミだけではなくて、悪い口コミが起きる場合もありますよ」ということを予めお伝えした上で利用して頂いております。ですので、そこをコントロールすることはしませんし、悪い口コミによる企業様からのクレームもありません。

 ちなみに、ご安心いただきたい点としては弊社の場合は、まずブロガーさんが誰でも彼でも参加できるわけではなくて、完全に弊社側からのスカウト制、もしくは自己エントリーして来る方々を審査させていただいているということです。この審査も35段階の弊社独自インフルエンサー基準で審査をしており、評定が25点以上の人しか会員になれません。確率でいうと、100名の応募があれば、実際に参加頂くのは8名くらい。かなりの狭き門です。

 なので、誹謗中傷が多い人も入会をお断りしておりますので、マジョリティとしては率直に意見を書くんだけども基本的に本音で色々書いていて読者の共感を生みやすい方々が多いので、クライアントさんからして手が出しやすくはなっておりますね。

今後、口コミマーケティングとしては、どのように進化していくと思われますか?

 弊社の場合は、そもそも着眼点がインフルエンサーにあるんですが、インフルエンサー自体は個人だけではないと思っております。例えば「kizasi.jp」っていうサイトがありますけど、このサイト自体も、トレンドセッターで新しい情報を取り敢えず求めている人からすると、相当な影響力を持ったサイトだと思うんですね。なので、メディアインフルエンサーと捉えることができると思うんですよね。

 要は、トレンドを生み出していったり、新しいトレンドを探してる人達にいち早く有益な情報をお伝えすることが出来れば、そこには影響力が生まれるので、これまでの個人メディアに限定されたインフルエンサーマーケティングのみならず、ネット全体でのインフルエンサーマーケティングを仕掛けることが可能になりますよね。また口コミというと「ネット」と思われがちですが、実際にネットだけで口コミが完結することはありえないと思ってるんです。一般的な新商品やサービスほど、自然の会話の中で「あの商品、最近面白いよね」とか「新しいあれ美味しいよね」とか、当然のように出てくると思いますし、弊社の場合でも、インフルエンサーのブログで書かれた内容が、リアルで話されて拡がっていって、それが例えば、モバイルで火がついたり、「mixi」に飛び火していく、さらにはそれが他メディアの担当者の目に留まり、取り上げられることは十分にあるでしょう。
  やはり、顧客企業が持ってる予算の中で最大限できるをやろうと思うと、ネットの域を出ることも全然あると思いますし、例えば、雑誌とCGMを連動させて何か仕掛けることもあれば、屋外広告でもIT化が進んでいるので色々な面白い屋外広告の仕掛けが出来たりするんですよね。弊社としては近い将来、そちらの分野にも明るい企業として歩んでいきます。

では、御社としては、リアルを含めた施策も提案されているのでしょうか?

 ケースバイケースで顧客企業の予算によりけりですね。数千万円の予算があって出来る最大限のことをやりたいと思っている企業に、ネットだけで提案するのは、ネット会社のエゴだと思っています。そもそも、やっぱりWEBプロモーションの設計の仕方がWEBに留まる時代はもうすぐ無くなると思うんですよ。ウェブと日常がより近くなってくると思ってますし、例えばモバイルだとWEBを日常生活に持ち出すことも出来るし、どんどん日常との接点がテレビや雑誌・ラジオよりも多くなるでしょう。その接点で上手く口コミを起こすようなスキームをご提供するのが、弊社のあるべき姿かなと思っています。

お忙しいなか、ありがとうございました。

今月のキーパーソン
株式会社サイバー・バズ 代表取締役社長 宮崎 聡 氏

2003年10月株式会社サイバーエージェントへ入社。
2003年10月~2005年5月インターネット広告事業本部
2004月10月大阪支社にてアカウントプランナー。新人賞。
2005年6月~2006年3月インターネット広告事業本部東京本社に異動。
ブログ・SNS周辺拡販部隊の責任者に。
2006年4月~現在 サイバーエージェントグループのクチコミマーケティング専門会社、株式会社サイバー・バズを設立。
2006月7月グループ史上最速でJ2昇格、また最速で黒字化を達成。
2006年10月サイバーエージェントグループ ベストプロジェクト賞受賞。
2007月2月グループ史上最速でJ1昇格(9ヶ月と29日)
2007年4月サイバーエージェントグループ ベストプロジェクト賞を史上初2期連続受賞。

モットーは「常にチャレンジ!常に成長!!」
「昨日よりも今日、今日よりも明日、自分の可能性を広げられる努力する」
夢は「誰よりもたくさんの『ありがとう』を集める人になる」こと。
目標は「自分が死んでも世の中から無くならない新しいサービスや価値・考え方を存分に残しきる」
サイバー・バズを世界を代表するバスエージェンシーに成長させるべく日々奮闘中。

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