特集:広告・マーケティング業界キーパーソン”リレー”インタビュー

株式会社シーエー・モバイル 常務執行役員 日下部祐介氏

御社の事業概要をお教え頂けますか?

 まず、収益構造の面から申し上げますと、大きく三つの収益構造を取らせて頂いております。一つ目は携帯電話の広告ビジネス。こちらは一般的なメール広告やバナー広告に始まり、記事タイアップやサイト内で取り上げさせて頂く広告まで幅広く行っております。二つ目はモバイルコマース、そして三つ目は、デジタルコンテンツの課金ビジネスになりますね。

 デジタルコンテンツの課金ビジネスは、分かりやすいところでは着メロや待受画像、また最近ではデコメールのなど。もっとユニークなところですと、プロ野球のアプリを利用した30秒遅れくらいのリアルタイム中継なども行っております。

 まず収益構造の面から三つというお話をさせて頂きましたが、そのベースになっているのが「メディアビジネス」という考え方でして、全てのビジネスを行う上でメディアであるということを我々は気をつけてビジネスを行っております。

 あくまでも、ユーザーさんが沢山集まったところに適切なものを提供するという考え方が根本にあり、その上の収益構造は時代と共にドンドン変わって行くと思っております。例えば新しい試みとして、ホテルの予約サービスやメールの取り次ぎサービスを初めてみましょうというビジネスアイデアはたくさん出てきますが、根幹にあるのはメディアとして情報なり価値のあるモノを提供していくというところですね。

その三つの収益構造のなかで、特に太い部分は?

 まず当社の生い立ちからお話しますと、以前は広告ビジネスが一番のメインで、そこからスタートいたしました。そこで、数百万人という多くのユーザーさんを集めることが出来ましたので、物も売ってみようということで、物販を始め、こちらもどんどん伸びてきました。そしてその後、後発ながらコンテンツ課金ビジネスに参入し、成功を収めました。

 売り上げで申しますと、広告と物販がほぼ同じですが、物販の伸びが著しく、現状ですと若干物販の方が大きくなってきております。

広告ビジネスにもいろいろありますが、そのあたりどのような?

 モバイルの場合ですと、従来からあるメール広告の割合が大きいのですが、ここ最近は検索連動型の広告や、コンテンツマッチ型の広告と言われる、コンテンツ等の中身に関連した広告を出す、例えば歌手名で検索された方には着うたの広告を出すとか、そういったコンテンツにマッチさせた広告の伸びが顕著ですね。

そういった新しいタイプのモバイル広告に対して感度の高い業種などは見受けられますか?

 特徴的に大きい業種といたしましては、所謂公式サイトを運営されている会社はかなりの予算を取られているかと思います。また、こうした検索連動型の広告などは、すでにPCでは当たり前になっており、そこでの実績もあるから「ではモバイルでも・・・」ということで、従来、モバイルに対しては消極的であったナショナルクライアント様も、興味を示してきておられるようです。

モバイル業界の最近の大きな話題としては、昨年より始まったMNPがあげられますが、MNPがスタートしたことによる影響は?

 MNPに関しては、すぐに影響が出てくるものではないというのが我々の実感です。例えば昨年10月に導入された後、会員が大きく動いたかというと、そうでもない。ただジワジワと、キャリア間の壁が無くなってきたという実感はございます。そういった際によく言われるのが、公式CPで課金コンテンツをやってるところ、例えば月300円で着メロなどをやられているところは苦戦するのではないかと。

 例えばA社の端末を使っていたユーザーさんが、公式コンテンツを登録し続けていたのを忘れて、B社の端末に変更するときに自動退会になり、その影響で会員数が減るのではないかということです。

 ただし、それを補って余りあるだけの広告の需要が見込めると当社は予測しております。例えばi-modeで着メロサイトをやってらっしゃるところは、大体softbankさんでもauさんでも同じように展開されておりますので、そういった中でこっち側のユーザーが抜けてしまったので、逆にプロモーションを増やしていこうですとか、そういった機運もありますので、弊社の場合にはどちらかというとビジネスチャンスであると捉えております。

ワンセグについてはいかがでしょうか?

 ワンセグについては、我々のビジネスとまだまだ繋がりが薄いなというのが正直な感想です。現在はサイマル放送ですので、それが終わる2008年以降が勝負になっていくのかなと思っております。

 ただ、そうなった時にすぐに対応できるよう、今から動画の編集や編成といったところは徐々に力を入れているような状況ですね。とはいえ、当社は放送設備を持っておりませんので、どちらかというとネット上でのパケ放題とか帯域が広くなったことによる動画の配信ですね。そちらにまず着手し、そういったところで培ったノウハウを元に、ワンセグ時代が来ても充分に対応できるような体勢の準備はしておこうと思っております。

いろいろとトピックスが多いモバイル業界のなかで、今後、御社はどのような展開をされていくおつもりでしょうか?

 弊社では現在、ポータルメディアの構想というのがございます。モバイルにおいてポータルサイトはまだまだ出来上がっていないのが実情で、勿論Yahoo!さんなんかも参入されておりますが、今までポータルらしく人が集まって、かつポータルとして君臨していたのはi-menuとEZwebのトップメニューくらい。それ以外は存在せず、その部分を一般サイトも含め、しっかり束ねたものを当社で取り組んでいきたいと思っております。

 弊社の場合、ジャンルも多岐にわたり、様々なブランドでサイトを運営しておりますが、これらをポータルのようなかたちで、ユーザーさんが欲しいものがここに来れば何でも揃うようなものを実現していこうと思っております。

お忙しいなか、ありがとうございました。

今月のキーパーソン
パワーテクノロジー株式会社 取締役会長 中島正三氏

1976年4月:
 岐阜県に生まれる
2000年3月:
 慶應義塾大学法学部卒業
2000年7月:
 アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)入社
システムコンサルティングに従事
2001年7月:
 株式会社シーエー・モバイル入社
モバイル広告ビジネス、モバイルコンテンツビジネス等に従事し、2006年4月常務執行役員 経営企画室長に就任、現在に至る

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