特集:広告・マーケティング業界キーパーソン”リレー”インタビュー

準備期間を経て、ようやく上場 「もうそろそろ反撃しても良いですか?」
株式会社ウェブドゥジャパン 代表取締役社長 小渕宏二 氏

まず始めに、御社の事業内容をお教え頂けますか?

 当社は大きく2つの事業領域に展開しています。1つは、モバイルビジネスです。モバイル向け連動広告配信を行う、「モバイル広告事業」とコンテンツの企画、開発、運用、保守を一貫して提供する「モバイルコンテンツ事業」を行っています。
  もう1つは、人材ビジネスです。転職支援を行う人材紹介サービス、技術支援を行うテクニカルアウトソーシングサービスといった「人材事業」を行なっています。

 会社としてメインの事業はモバイルビジネスです。特にモバイル広告においては、P4Pと呼ばれるコンテンツやキーワードに連動した広告が注目されていまして、当社もコンテンツ連動広告「アドページ」やキーワード連動広告「アドサーチ」といった広告商品を提供しています。広告の配信は、260サイト以上に及ぶ提携サイトに行っており、日本最大級の規模になっています。

 モバイルコンテンツの方は、企画、開発したゲームを自社で配信したり、受託開発させていただいたりする、一般的なコンテンツプロバイダ業です。ただ、熱狂的なファンが多く集まるコンテンツに絞って開発をしている点が特徴的です。

設立のときからこうした事業を?

 設立はテクニカルアウトソーシングで創業しているんですよ。これは、一言で言うと、技術のアウトソーシングサービスです。

 具体的には、技術力のあるフリーエンジニアの方々に当社に登録して頂き、クライアント企業からネットワークの構築やシステム開発の依頼があった際に、登録してくださっている方々に対して、当社から再委託を行なうというものです。このビジネスモデルで創業しました。 次に、自社に開発ノウハウを蓄積していこうと考え、成長産業である、モバイルコンテンツに的を絞り、受託開発を行なうようになりました。

現在、御社の名前を聞けば、やはり「CROOZ!」が真っ先に思い浮かびますが、一番最初は、受託開発から始められたんですね。

 そうです。当社は、受託開発のところで、山佐さん、三洋さんというパチンコ・パチスロ業界の5位以内に入る会社の二社さんとお付き合いさせて頂いていますが、こういった業界のトップクラスと付き合うことで、開発力や収益力が身に付いたんですね。

 ですので、我々は今までに1回も赤字になったことがないんですよ。創業以来、順調に伸ばしてこれました。資本金も創業から昨年の3月30日までは2000万円で、他人に頼んでお金を出してもらったことはありませんでした。唯一、ここのオフィスを借りるときに、その保証金が必要だったので借りたぐらいです。

コンテンツ開発やシステム開発をする時は、必ず先行投資が付きものですが、その際にも、借りる必要がなかった?

 はい、そうです。一切借りなかったですね。手前味噌になりますが(笑)、素晴らしい財務内容で、恐らくベンチャーの中では珍しいことだと思います。

極力、お金は借りないというのは、社長ご自身の経営ポリシーだったのですか?

 いや、借りれるモノなら借りたかったですけど(笑)、VCや銀行に出してもらうために事業計画を書いている時間があったら、お客さんに提案書作って、お金貰いに行った方が早いですよね。

 だから、しばらくは我慢の時代がありましたが、モバイルコンテンツの受託開発を始めて、モバイルに特化した頃から、案件を沢山頂くようになり、それで一気に業績が上がっていきましたね。

 後は、極力、お客さんからできるだけ早く貰って、仕入れ先には後で払うというサイクルを徹底してましたね。もちろん、全部そうはいかないですが。でも、とにかくそれにこだわって、支払いは株主総会で決議されて、翌々月払いだとかね。請求書が来たら翌月払いとかじゃなくて、株主総会で株主に提案して決議された後、翌々月末に払う。そのくらいの気持ちで良いぞって、社員に徹底しましたね。(笑)

アウトソーシングから始まり、モバイルに特化してモバイルコンテンツを開発、次に検索エンジン「CROOZ!」を軸にしたモバイル広告ビジネスと拡大されてきたわけですが、「CROOZ!」を始めた当時は、モバイルの検索エンジンはほとんど注目されていなかったと思いますが、そこに目をつけたのはなぜですか?

 別に先を見据えて「携帯でも検索する時代が来る」と明確に読みきっていたわけではありませんが、PCでこれだけ一般的になっているんだから、モバイルだって、当然そうなるよね、と思ってはいました。毎日、日々、個人サイトを含め携帯サイトは増えてきたわけじゃないですか? そうなると、検索サイトでそういうページを探す時期はきっと来るよね、と。

 実は、国内で一番最初にロボット型のモバイル検索サイトをスタートさせたのは当社なんですよ。事業化する前に、調べてみたら、まだやっている会社はどこもない。課金の市場は、ある程度の段階で飽和状態になることは分かっていたし、弊社の強みを活かし、かつ次の収入形態は何かを考えたら、当然、広告ですよね。そこで広告収入の新たなサービスを模索している時に目をつけたのがモバイル検索エンジンだったというわけです。

結果的に「CROOZ!」は認知され、いま御社を支える事業に成長されておりますが、収益化されたのは早かった?

 いや、1年くらいは掛かりましたよ、やはり。特に最初の数ヶ月くらいは全然なかったですしね。丸1年は遊ばせましたね。その時期を経て、ようやく時代が追いついてきたと言う感じですね。ただ、追いついたと同時に、競合も沢山出てきちゃったんですけど(笑)。

この次の手はいろいろと考えられておられますよね?

 もちろん。弊社は今年2月に上場させて頂きましたが、準備期間が2年ほどあり、その間はやはりスピード感が緩くなってしまいますよね。当然、ベンチャー企業がベンチャー企業で無くなろうと準備しているわけですから。ですので、ようやくこれからバリバリ行きたいと思ってますね。某社さんではないですが、「もうそろそろ反撃しても良いですか?」っていう感じで。(笑)

具体的には、何か新しい広告商品とか?

 新しい広告商品という意味だと、普通に日々考えていますし、その辺はルーティンワークとして出していくものだと思っています。先日は、広告枠のオークション販売もリリースしたので、よりブラッシュアップして、新商品はどんどんと出していくと思います。

 また、それ以外では、「CROOZ!」に限らず、自社媒体のメディアパワーをさらに付けていく為の仕掛けしていこうと準備をしています。

お忙しいなか、ありがとうございました。

今月のキーパーソン
株式会社ウェブドゥジャパン 代表取締役社長 小渕宏二 氏

1996年4月
株式会社ホテル京急入社

1997年4月
シーエスアイ株式会社入社

2001年5月
有限会社ウェブドゥジャパン設立
(当時26歳)

2002年5月
株式会社ウェブドゥジャパンに組織変更

現在に至る

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