特集:広告・マーケティング業界キーパーソン”リレー”インタビュー

株式会社ネットエイジグループ代表取締役社長 西川 潔 氏

まず創業のきっかけをお教え頂けますか?

 いつか自分の会社を作りたいという漠然とした憧れ、自分の理想郷を自分で作ってみたいという希望はあったのですが、実際、そのきっかけとなったのは、インターネットが出現した95、6年頃ですね。Windows95が出て、インターネットマガジンが出て、色々盛り上がって来ましたよね。それがきっかけです。「このインターネットをテーマで起業してやろう」と。他の線も色々考えたのですが、あの当時、これが一番のテーマだと思ったので。

インターネットのどんなところにビジネスの可能性を感じたのでしょうか?

 まず、アイデアのレベルですが、色々な可能性を20個くらい思いついていたのですが、一つに絞れなかったですね。ただ、そのなかでも一番最初に考えたのが、オンラインで情報流通の摩擦をゼロに近くしてビジネスを行うといった仕組み。

 例えば今存在するものとして、ホテルのオンライン予約のようなものですね。かつては各一個人が「予約できますか?」と訊いてたものが、今はオンラインであっという間に「箱根」とかキーワードを入れると、いろいろな宿の情報が出てきますよね。その刻々と動くデータベースに検索をかけて、その中から条件の合うものを抽出し、それをクリックしてまた次へ行く。買う側も売る側も非常に便利になるので、それがホテル予約以外でも色々な分野で、同じような方法で適用できるかな?と思っておりました。

 それは一言で言うと「インフォメディアリー」という情報の仲介業者みたいな、そういう言い方しますが、そんな分野を考えておりました。

実際に一番最初にやられた事業は?

 「Yahoo!自動車」という「Yahoo!」のコンテンツグループだったんですよ。それは「Yahoo!」のコンテンツ提供だけでなく、さっきも言いましたような「インフォメディアリー」であるところですね、新車の見積もりサービスもセットで作りました。「Yahoo!自動車」の中で、今日本で買える全ての新車がデータベース化されており、それを条件検索できるようになってまして、その検索結果に関して、情報が掲載され、もし見積もりを取りたいと思ったら、ボタン1つで、郵便番号入れて、一番近くのディーラーに繋げる。
  そういう見込み客を繋ぐことでフィーをもらうと。そういうことをやってました。

そういったところから始まり、いまの御社があるわけですが、現在の事業内容は?

 現在大きく分けて、インターネット事業とファイナンス事業と二つあります。ファイナンス事業の方は、簡単に言うとベンチャーキャピタル業。インターネット関連事業は、その中でもいろいろとやっておりますが、一番大きな柱になってるのは、モバイル広告配信事業ですね。所謂「勝手サイト」と提携して、勝手サイトの中に当社のアドサーバーから広告が挿入される。クリックされ、カウントされると課金される。そういったところですね。

インターネット関連ビジネスのなかでも、特にいま御社が狙っている、注力しているものは?

 所謂「Web2.0」と言われているCGM系のメディアですね。特にそのなかでも「YouTube」に代表される「動画共有」。ただし、我々は単に動画を見せ合いっこをするだけじゃなくって、もう一歩先へ進んだコンセプトで、昨年の11月にα版がオープンした「tila」というサイトがあります。まもなく本格的にオープンするので、そこに結構期待しておりますね。

具体的には、どういったビジネスモデルのサイトなのでしょうか?

 タイル上にアイコン化されるファイルを、自由にマウスでプラネットゾーンから動かしたりできるようなものなのですが、タイルをクリックした中身は、動画でも静止画でもゲームでもフラッシュアニメでも、何でも良いという一種のコンテナのというか、ファイルの保管庫みたいな感じですね。

 そのタイル自体が動画広告になるということも考えてまして、取り敢えず一年ぐらいは、売り上げよりはユーザー数を増やしていくことに注力して、収益的にはそこから先で考えていこうと思っております。

そういった様々な新しいことにチャレンジされておりますが、この「ニッチメディアニュース」としては今後、御社が広告マーケティング業界の中ではどういうポジションに位置づけられていくのであろうというところが気になりますが。

 僕らは元からインキュベーターを標榜しているので、広告マーケティング関連だけやるということでは、勿論ないんですよね。ただ、1つのフォーカスしてるエリアとして、メディアを作ってトラフィックを沢山持って、それを広告的な売り上げでビジネスを行っていこうという狙いは、当然あります。

 今、関連会社ではメディアトラフィックをお金に換えるエンジンやプラットフォーム、そういう役割を担ってる会社がいくつかあり、ひとつは「RSS広告社」という会社ですね。そこはコンテンツマッチと言って、ブログの本文を解析して、それにあった広告を自動的に出すという仕組み。Googleのアドセンスのようなサービスをやってるのですね。だから僕らがメディアを作ると、RSS広告社のエンジンを載せて売り上げにしております。

 またもうひとつはモバイルのエンジンで、先程も言いましたモバイル広告配信サーバー。これは実はまだ会社化していなくて、社内事業でやっております。ですから、PCベースとモバイルベースの二つで収益化するものがあるので、その上に様々なメディアを乗せていけば、両方うまく回転するのではないかと、そういう発想で今は展開しております。

ありがとうございました。では最後に、西川社長の経営哲学をお教え頂けますか?

 そうですね、インターネットの可能性をとにかくとことん追求しようというのが、社是というか社訓ですね。しかも技術的には勿論ビジネス的に可能性のあるところにトライして、チャレンジしてこうというのが趣旨一貫して変わらない姿勢です。

お忙しいなか、ありがとうございました。

今月のキーパーソン
株式会社ネットエイジグループ代表取締役社長 西川 潔 氏

KDD(株)(現KDDI(株)) 勤務を経て、アーサー・D・リトルの米国本社勤務時に起業を志す。帰国後、世界最大のインターネット企業、アメリカ・オンラインの日本法人の創立に参加。その経験・人脈を生かし、1998年2月、ネットビジネスインキュベータ-という、日本初の業態をもって (株)ネットエイジを創業。NETAGE GROUPポートフォリオ企業4社の社外取締役を務める。
「渋谷ビットバレー構想」などに代表される起業家経済の活性化のための提唱をおこない、講演・執筆多数。東京大学教養学部卒。

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