<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?>
<feed xmlns="http://www.w3.org/2005/Atom">
    <title>早稲田MBAおきこういちろうの逆襲のマーケ本読破！</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.niche-ad.com/okisan/" />
    <link rel="self" type="application/atom+xml" href="http://www.niche-ad.com/okisan/atom.xml" />
   <id>tag:www.niche-ad.com,2007:/okisan//2</id>
    <link rel="service.post" type="application/atom+xml" href="http://www.niche-ad.com/cgi/mt32/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=2" title="早稲田MBAおきこういちろうの逆襲のマーケ本読破！" />
    <updated>2007-02-26T01:02:15Z</updated>
    
    <generator uri="http://www.sixapart.com/movabletype/">Movable Type  3.2-ja-2</generator>
 
<entry>
    <title>起業物語から学ぶ泥臭い営業力～『一杯のカフェの力を信じますか？－苦楽しいカフェ開業物語』佐藤裕久著</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.niche-ad.com/okisan/2007/02/post_30.php" />
    <link rel="service.edit" type="application/atom+xml" href="http://www.niche-ad.com/cgi/mt32/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=2/entry_id=1274" title="起業物語から学ぶ泥臭い営業力～『一杯のカフェの力を信じますか？－苦楽しいカフェ開業物語』佐藤裕久著" />
    <id>tag:www.niche-ad.com,2007:/okisan//2.1274</id>
    
    <published>2007-02-26T00:07:19Z</published>
    <updated>2007-02-26T01:02:15Z</updated>
    
    <summary> ●起業本を手に取るのは、起業に関心の強いサラリーマン 　東京の人間にはあまり馴...</summary>
    <author>
        <name>niche</name>
        
    </author>
            <category term="okisan_沖さん" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.niche-ad.com/okisan/">
        <![CDATA[<div class="imgYoko"><img alt="4309269206.01._SS500_SCLZZZZZZZ_.jpg" src="http://www.niche-ad.com/okisan/4309269206.01._SS500_SCLZZZZZZZ_.jpg" width="200" height="296" /></div>

<strong>●起業本を手に取るのは、起業に関心の強いサラリーマン</strong>


　東京の人間にはあまり馴染みは無いかもしれないが、東京駅の向かいにあるマルビルの裏手辺りに「カフェ・ガープ」というレストランがある。このレストランの発祥は大阪の南船場という街からだ。本書は大阪から小さなレストランとして開店し、そしてそのレストランによって街の雰囲気を変えたという伝説のレストラン経営者・佐藤裕久氏の起業ストーリーになっている。


　このように小さなお店から始めていき、その後全国区に店舗を増やした経営者の起業ストーリーの本は数多く出版されている。人材派遣のビジネスとして成功した“フルキャスト”の平野岳史氏が書いた『満点の星』や、焼肉レストラン“牛角”を成功させた西山知義氏の『想い』、そしてタリーズコーヒーを日本に広めた松田公太氏の『すべては一杯のコーヒーから』のような本だ。これらの起業本のストーリーは基本的には同じである。経営者は設立当初から「こんな店を作りたい」というビジョンがあり、そして最初は苦戦し「もう駄目かも」という時期が来る。そして突然、ふっと成功の階段を上がってゆくというものだ。言わばジャパニーズ・ドリームのようなストーリーが本の中で展開される。


　これらの本を手に取る人は元来「起業」に興味がある人だ。人間は何かしらの方法でサラリーを得て、飯を食わなければならないと定義すると、そのサラリーの得方は、就職してサラリーマンになるか、起業するかの２つになる。「独立起業は絶対にしない」と固く決意している保守的なサラリーマンも世の中にいる。彼らの多くは上記のような起業本を手に取ることは少ないだろう。実際に関心はあっても独立起業するサラリーマンは少ないのだが、起業に関心の無いサラリーマンにとっても「起業本」はビジネスをするうえで役に立つということを知っていただきたくて今回はこの本を紹介する。


<strong>●マーケティングの仕事≒カネを生む仕事</strong>


　このコラムはマーケティングのコラムである。しかし上記のような本はマーケティングの本かと言えば、それは違うだろう。あくまでも「起業物語」に過ぎないし、世の中にあるベンチャー企業の多くは失敗している。その中で、一握りの成功者の物語を相対化して他の経営や、マーケティングに当てはめるのは危険な営みかもしれない。


　ビジネス書で記述されている「マーケティングの定義」で最も多い定義は「売れる仕組み作り」というものだ。ではなぜ「売れる仕組み作り」がビジネスには必要なのだろう。それは、ビジネスとして巧い仕組みを構築することができれば経営者として楽だからである。ラクというのは言いすぎならば、効果的な営業ができ、効率的に企業が回ってゆくからである。


　マーケティングの仕事は一義的にはカネは生まない。いきなり良い製品を作れば売れる筈だと「プロダクトアウト」の考えで商品開発するより、消費者の声、つまりはニーズに合った製品を開発する「マーケットイン」で商品開発をする。時にはシーズを見つけ、効率的な流通経路を組み立てるというような仕事をする。それがマーケティングなのだが、結果として「仕組み」が作られれば良いが、作る過程においてカネは生み出さない。


　ここで大切なことは即効性のあるマーケティング活動は難しいと言うことだ。


<strong>●足で稼ぐ売れる仕組み作り</strong>


　どんなビジネスマンでも、効率的な仕事がしたいと考える。作戦を練って無駄な努力はしたくないと考えるのは、「苦痛から逃れたい」とする人間の性だ。しかしこの気持ちが強すぎるあまり、最も大切で“効果的”な仕事を忘れてしまう。これは所謂“机上の空論”というもので、「あーでもない、こーでもない」と悩んだ挙句、結局何の行動もしないまま終えてしまい、ビジネスのタイミングを逃すというのはよくあることだ。
私が言いたいのは下手に戦略をオフィスで練るより、足で行動した方が効率的だということである。


　例に漏れず佐藤氏のビジネスにも経営の“死の谷”が訪れる。カネが無いのだからそうするより仕方ないのだが、彼の素晴らしいのはフットワークが軽いことだ。


<font color="009900">　そして、狙いをつけて一本に絞ったら、あとは値段交渉あるのみ。一円でも安くなるなら、いくらでも頭を下げた。ひたすら拝み倒し、相手が「しゃーないな」と言うまで決して引き下がらなかった。
こういうところで見栄を張っても何の得にもならない。それが商いの基本だと、子供のころから肌で教えられていたので、頭を下げることに苦はなかった。
（本書９８ページより抜粋）</font>


　ここから１円でも値切る姿勢を見習えというのではなく、自分の足で営業する方が効率的だということを学んで頂きたい。佐藤氏はこうした開店準備の期間だけでなく、開業してからも店に因縁をつけるイヤな客にも１人で会いに行ったり、新しく店舗を構える立地で不動産屋から無理だと言われているところにも足を運んでお願いに行く。こうしたフットワークの軽さがビジネスには不可欠である。


<font color="009900">　「今日の自分ら、見てみい。店のレイアウトがどうこう、原価率がどうこう、メニューがどうこう、机上のことばかり言っているやんけ。全部、自分らの段取りや都合で、ただ店を回すことばっかり考えてからに。そんな店なんか作ったって意味ないんじゃ」
　（本書２３４ページより抜粋）</font>


　起業のビジネスとは、大企業のビジネスとは違って泥臭く、カッコ悪いことがいっぱいだ。マーケティングの仕事とは、一般には“カッコ良い仕事”の部類に入るだろう。市場を分析し、消費者のシーズを分析し、売れる商品を企画することはカッコ良いかもしれない。しかしそのカッコ良い仕事にも、泥臭く足で稼ぐ営業を決して忘れてはならない。机上の空論で導かれたカッコ良い資料より、足で稼いだ人間の信頼ほど効率的な仕組み作りは無いのである。「起業本」を読んで泥臭い営業の大切さを思い出して頂きたい。


<font color="009900">　「日々何軒もの飲食店を回っていて、この世界に精通している彼が、僕の思いに共感し、将来的な店の発展に期待して協力してくれたことは、大きな自信となった。どの世界でも言えることだろうが、結局のところ、人を動かし、力を与えてくれるのは、熱意や信念というものなのだと、改めて思った出来事だった。」
　（本書１０３ページより抜粋）</font>

<br>
【オススメ度（辛口）】
<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4309269206?ie=UTF8&tag=nichemedianew-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4309269206">1杯のカフェの力を信じますか?</a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=nichemedianew-22&l=as2&o=9&a=4309269206" width="1" height="1" border="0" alt="" style="border:none !important; margin:0px !important;" />　　<font color="FF9900">★★★★</font>☆
<br>
<br>
【関連サイト】　
<a href="http://mba.livedoor.biz/">沖　広一郎　ブログ</a>
<a href="http://www.artmode.jp/">アールモード</a>]]>
        
    </content>
</entry>
<entry>
    <title>シモネタ商品は通販ビジネスの王道～『10倍儲かる通販ビジネスの秘密』臼井由妃著</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.niche-ad.com/okisan/2007/02/10_1.php" />
    <link rel="service.edit" type="application/atom+xml" href="http://www.niche-ad.com/cgi/mt32/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=2/entry_id=1240" title="シモネタ商品は通販ビジネスの王道～『10倍儲かる通販ビジネスの秘密』臼井由妃著" />
    <id>tag:www.niche-ad.com,2007:/okisan//2.1240</id>
    
    <published>2007-02-19T00:02:54Z</published>
    <updated>2007-02-26T01:01:22Z</updated>
    
    <summary> ●まずは経営者が広告塔になれ 　株式会社健康プラザコーワの代表をつとめる臼井由...</summary>
    <author>
        <name>niche</name>
        
    </author>
            <category term="okisan_沖さん" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.niche-ad.com/okisan/">
        <![CDATA[<div class="imgYoko"><img alt="4534041357.01._SS500_SCLZZZZZZZ_.jpg" src="http://www.niche-ad.com/okisan/4534041357.01._SS500_SCLZZZZZZZ_.jpg" width="200" height="286" /></div>

<strong>●まずは経営者が広告塔になれ</strong>


　株式会社健康プラザコーワの代表をつとめる臼井由妃氏であるが、彼女は“マネーの虎”の呼称の方が認知度は高いだろう。経営が大成功し、その業界で飛びぬけた実績があったからこそ、マネーの虎のような番組に出演できたことは確かであるが、飛びぬけたビジネス実績を持つ社長の多くは自分自身が広告塔となって事業を成長させている。


<font color="009900">　社長の一番大切な仕事は何か。それは、自らが会社の顔になり、商品や情報など、会社が持っている売りものを世の中に広めること。つまり「歩く広告塔」となることだ。
（本書１４４ページより抜粋）</font>


　“通販の女王”という呼称をタイトルで付けられているように、彼女が通信販売というジャンルで卓越したノウハウと実績を持つことも間違いが無い。本書はその彼女が持つ通販のノウハウをまとめた本となっている。


<strong>●商品の選定と、真綿で首を絞めるネット通販</strong>


　臼井氏は本書の中で「商品選びが通販ビジネスの成功５割を握っている」と記述している。普通通販ビジネスにおける商品選びの大前提は<font color="#ff0000">全くオリジナルな商品を販売しなければならない</font>と考えられているが、臼井氏はオリジナル商品の原則にも異を唱え、仕入れ商品でも売る方法はあるという持論を本書で展開している。


<font color="009900">　仕入れ商品で、他社と差別化をするのが難しいと思われる商品ならば、テーマと情報をより具体化する。
（本書６９ページより抜粋）</font>


　具体化とは、頒布会形式や、商品名の変更、組み合わせ、パッケージの変更などをして、<font color="#ff0000">オリジナルの商品に変容させる</font>ということだ。仕入れ商品をそのままの形で販売すれば、なにもそこから買わなくてもどこでも買えるということになる。その限定力の弱さは価格競争に繋がり、仕入れ販売である以上その粗利はどんどん小さくなる。通常通信販売での粗利は５割～７割と言われており、価格競争で粗利が数％になってしまうと今度は最も大切な広告費を削るという悪循環に陥ってしまう。通信販売において広告費を削るということは携帯電話のアンテナの数を減らすようなものだ。完全オリジナルで無い商品を商材として扱う場合、その商品を変容させてオリジナルな商品に変える工夫は絶対に必要になってくる。


　ネット通販はどんなに見せ方を工夫して、魅力ある商品に見せようと最後に消費者はネット上で売られている同商品の最安値のショップで買うことになる。ネットに高関与な消費者はその中で一番安い商品を選ぶ力があるので、ネット通販において価格競争は必然なのである。その結果、カタログ通販、折込チラシの通販、ＴＶショッピングなど、これらの媒体で販売を伸ばしてきた通販ビジネスの多くの企業はインターネット通販に否定的な見解を持っているだろう。


<strong>●通信販売でインターネットを味方につけるには</strong>


　しかし本書の臼井氏はネット通販をも味方につける方策を説いている。Ｅコマースでネット通販をしようと思う場合、まずほとんどの会社は知名度が無いので、どんなに魅力ある商品を扱っていても世間には認知されることは難しい。そこで楽天やYahoo!というショッピングモールに出店するべきではないかと考える。しかし臼井氏はこのショッピングモール出店に否定的な見解を示している。


<font color="009900">　ショッピングモールに参加することによって、得られるであろう「集客力」や「知名度」といったプラス面よりも、マイナス面のほうが大きいのではないか。
（本書１６３ページより抜粋）</font>


　この意見は全くその通りだと私も考える。ショッピングモール出店経費はとても高額で、この経費はいくつの商品を売ってペイするのかを考えるべきであろう。一方、臼井氏が強く勧めるネット通販で重要な働きをする媒体は“ブログ”であるとしている。


<font color="009900">　経営者の思いやこだわりを伝え、お客様に安心心を抱いてもらう。ブログは、サイトひいては会社のファンづくりに一役買っている。
（本書１７２ページより抜粋）</font>


　消費者が通信販売を“アヤシイ”と考えるのは当然のことで、そこで経営者が顔写真と実名で出てくることは消費者の信頼に繋がる。そして社長がブログを連載することで、多くのファンを獲得することができるし、ＳＥＯにも大きな効力を発揮するのである。


<strong>●シモネタ商品と３つのキーワード</strong>


　臼井氏はロングセラー商品を支えるには<font color="#ff0000">「ダサイ・クサイ・暗い」</font>（本書４１ページより抜粋）の３つのキーワードがあると本書で述べられている。


　通信販売の多くは電話で受注する。ＦＡＸやハガキ、インターネットなどの受注方法もあるが、いずれにせよ注文をしてから手元に届くまで数日のタイムラグがある。そして実物を見ていないのだからどんなものが届くのか不安だ。何しろ通信販売でモノを買うというのは消費者にとって面倒で不安なのである。それにも関わらず商品を購入するというのはそれなりの“ワケ”があるのであって、臼井氏はそのワケを上記の３つで表現しているのだろう。


　早速臼井氏の経営する健康プラザコーワのＷｅｂを閲覧してみる。ＴＯＰページの中央にデカデカと広告している商品は男性性器の勃起不全解消グッズである。次に売れていると思われる商品（サイドバナーの２番目にランクされている）は性行為の潤滑ゼリー、その名も『ジェリー１９１９(イクイク)』である。確かにこれらの商品は“ダサイ・クサイ・暗い”の三拍子揃っており、街中で購入するのが躊躇われる商品だ。一見すると、売るのも恥ずかしい商品も照れずに臼井氏は「コレが通販のマーケティングだ」として説明しているところが素晴らしい。


<font color="009900">　効果や効能は薬事法の関係もあり、パンフレットやホームページでストレートな表現はしにくいが、商品名ならば表現できる場合もある。
（本書９３ページより抜粋）</font>


　本書を読んで、健康プラザコーワのＷｅｂを隈なく読めば通信販売で売れる商品と、売り方のノウハウを学ぶことができるだろう。

<br>
【オススメ度（辛口）】
<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4534041357?ie=UTF8&tag=nichemedianew-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4534041357">“通販の女王”が初めて明かす 10倍儲かる通販ビジネスの秘密</a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=nichemedianew-22&l=as2&o=9&a=4534041357" width="1" height="1" border="0" alt="" style="border:none !important; margin:0px !important;" />　　<font color="FF9900">★★★★</font>☆
<br>
<br>
次回コラム予告
「一杯のカフェの力を信じますか？」佐藤裕久著<br>
<br>
【関連サイト】　
<a href="http://mba.livedoor.biz/">沖　広一郎　ブログ</a>
<a href="http://www.artmode.jp/">アールモード</a>]]>
        
    </content>
</entry>
<entry>
    <title>なぜ人は「あるある大事典」に騙されたのか～『山見式ＰＲ法』山見博康著</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.niche-ad.com/okisan/2007/02/post_29.php" />
    <link rel="service.edit" type="application/atom+xml" href="http://www.niche-ad.com/cgi/mt32/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=2/entry_id=1213" title="なぜ人は「あるある大事典」に騙されたのか～『山見式ＰＲ法』山見博康著" />
    <id>tag:www.niche-ad.com,2007:/okisan//2.1213</id>
    
    <published>2007-02-12T03:24:01Z</published>
    <updated>2007-02-19T04:14:53Z</updated>
    
    <summary> ●簡単に大金が飛んでゆくマス広告の経費 　中小企業が新製品を作り出したときにそ...</summary>
    <author>
        <name>niche</name>
        
    </author>
            <category term="okisan_沖さん" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.niche-ad.com/okisan/">
        <![CDATA[<div class="imgYoko"><img alt="4798111252.01._SS500_SCLZZZZZZZ_.jpg" src="http://www.niche-ad.com/okisan/4798111252.01._SS500_SCLZZZZZZZ_.jpg" width="200" height="291" /></div>


<strong>●簡単に大金が飛んでゆくマス広告の経費</strong>


　中小企業が新製品を作り出したときにその製品がＢ２Ｃの商品ならば一般大衆（マス）にその製品の存在を認知させなければならない。手っ取り早いのがマス広告を打つことになるだろう。広告と言ってもどの媒体を用いるのかや、どれくらいの部数、視聴者にＰＲするかで金額は大きく異なってくる。ＴＶＣＭでも放送しようものものならば、制作費と放送料とで数百万から数千万は簡単に飛んでゆく。新聞に簡単なチラシを折り込んでもらうだけでも５０万円くらいは簡単に飛んでゆく。何しろ広告を打つには多額の費用がかかるのである。


　そこでビジネス書やマーケティング書にはお金をかけずに自社や製品をアピールするための魔法の方法が記述され、金欠な経営者の心を掴もうとしているのだが、その魔法の方法は大抵の場合“パブリシティー”（以下「パブ」）の活用である。


　パブとはマスコミに記事にしてもらうように働きかける行動を指すのだが、パブとして取り上げられるために、まずＰＲ（プレスリリース）をする。


　上記で「魔法の方法」と明示したのはこのパブは一見すると軍事金の無い経営者にとって金のなる魔法の木のような方法で、効率的なマーケティング活動に見えるからだ。


<strong>●パブの効用</strong>


　マス広告と、パブとではどんな違いがあるだろう。パブはマスコミが記事や番組として出版、放送するものだ。マスコミという第三者からの紹介記事なので、読者は信頼性が強いと考える。たとえお金を払って広告を打つにしても、母体となるマスコミの審査があるので“何でも好き放題”というわけにはいかないものなのだが、読者からすると広告は「都合の良いことばかり書いて、消費者を騙してお金を取る営利団体」に見えるものなのだ。とりわけ自分が聞いたことも無い企業広告の場合、消費者の拒否反応はさらに強くなる。


　世間をにぎわせている「あるある大事典の捏造問題」で視聴者が騙された理由はそれがマスコミの報道だったからだ。折込チラシの中で「納豆は痩せる」というコピーとともに、納豆会社が広告を打ったならば消費者は胡散臭いと分かるはずだ。天下のＴＶ局が日曜のゴールデンタイムに放送したからこそ消費者は騙され、そして大問題になったのである。つまるところパブは消費者の信頼を得易い。


　その上、パブは無料だ。マスコミの記者や局のディレクターが「面白そう」と感じてくれさえすれば無料で信頼性の強い広告を大衆にアピールすることができる。
（有料で記事にしてもらう場合もある）


<strong>●パブを活用するための秘策とは？</strong>


　このようにパブは金の無い中小企業にとって魔法の方法である。そこで多くのビジネス書はパブの活用を強く読者に勧めるのだが、多くの書物の中で提示されるパブの活用法は「数撃ちゃ当たる」作戦である。<font color="#ff0000">「あなたは何も失うものは無い。マスコミ側はネタに困っているにも関わらず自分からネタ探しに行かない怠慢人間の集まりだから、自社や製品のポイントを書いてＦＡＸしまくれ！」</font>と煽ってくる。


　本書はこのような気合系のパブ活用法に一石を投じるもので、そのプレスリリースするときのポイントとして以下の４点が挙げられている。


<font color="009900">①何がテーマなのか？（新商品販売開始・新技術開発・新経営戦略・人事組織変更・Ｍ＆Ａなど）
②背景・経緯および特徴・差別点
③公表できる具体的な数字（経営指標や売上げ目標数字・開発金額など）
④今後の見通し
（本書８７ページより抜粋）</font>


　前述の気合系のビジネス書には<font color="#ff0000">「そんなオイシイ話はあるはずが無いと、誰もが思い、そしてＦＡＸを送る人はほとんどいない。だからこそＦＡＸすれば人生が変わるのだ！」</font>とまで書かれており、一念発起、恥をしのんでＦＡＸしようと決意するのだが、実際にはやっぱりＦＡＸを送らないままの圧倒的多数に含まれるのがオチだ。


　なぜそんな結論になってしまうのかと言うと、自社の製品が新規性もなければ、公表できる具体的数字もなく、今後の見通しも不確かであることを社長の自分が誰よりもよく分かっているためである。


　新規性も差別化もある製品、サービスならば広告費を掛けてマス広告を打ってもペイできる。この製品、サービスならば広告費がペイできないことを社長自身が誰よりも認識しているからこそ、パブにすがろうと思っている。


　つまりパブとして扱われる製品、サービスとは広告を打っても反応がある製品であり、パブはその売上げを助長させる働きに過ぎないというのが本質的なところだろう。


<font color="009900">　中小企業からの情報提供はもちろん大歓迎です。日本経済にインパクトを与える新しい息吹きは、大企業よりむしろ中小企業から出てくるものです。既存社会に何らかの改革をもたらすような画期的なアイデアが詰まった情報は、扱いが大きくなりますよ。大企業に追随しない、独創性のあるニュースを期待しています。私たちは情報を客観的に評価し、事業としての可能性、取り上げる価値があるかどうかなどを考慮したうえで記事にします。ところが中小企業の話は往々にして情熱や使命感が先走りするものです。なので、数字の裏づけがないといけません。ホットな使命感とクールな数字・確実性とのバランスがあるお話がいいですね。
（本書６６ページ・日経新聞・徳田潔氏インタビューより抜粋）</font>

　
　数字の裏づけがある製品ならば、とっくに売れて世間を賑わせている筈であるし、世間を賑わせている製品ならばマスメディア側から取材の申し込みにくる筈である。ＰＲの本やパブ関連の本を手に取る中小企業経営者は、数値データは無いけれどパブとして取り上げられる方法があるのではないかと思って本を買う。しかし本書には、そして当然のことながらどの本にもそんな魔法の方法は書かれていない。


　パブの活用法以前に、ビジネスモデルや製品の再考が求められているのである。


　本書はＰＲやパブのノウハウ本というより、インタビューで成功した人の実例集のような本だ。取り上げられている企業も経営として上手くいっており、数年の実績のある企業ばかりだ。全くのゼロからパブだけで成長した企業など存在しない。


　巻末に多くのマスメディアの連絡先が羅列してある。この住所録と、魔法の杖など存在しないということを知るために本書を買う価値はあるのかもしれない。

<br>
【オススメ度（辛口）】
<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4798111252?ie=UTF8&tag=nichemedianew-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4798111252">山見式PR法~メディアが取り上げたくなる5つの切り口</a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=nichemedianew-22&l=as2&o=9&a=4798111252" width="1" height="1" border="0" alt="" style="border:none !important; margin:0px !important;" />　　<font color="FF9900">★★</font>☆☆☆
<br>
<br>
次回コラム予告
「１０倍儲かる通販ビジネスの秘密」臼井由紀著<br>
<br>
【関連サイト】　
<a href="http://mba.livedoor.biz/">沖　広一郎　ブログ</a>
<a href="http://www.artmode.jp/">アールモード</a>]]>
        
    </content>
</entry>
<entry>
    <title>ロゴマークの付いていない偽ブランドなんてありますか？～『偽ブランド狂騒曲　～なぜ消費者は嘘を買うのか』サラ・マッカートニー著</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.niche-ad.com/okisan/2007/02/post_27.php" />
    <link rel="service.edit" type="application/atom+xml" href="http://www.niche-ad.com/cgi/mt32/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=2/entry_id=1192" title="ロゴマークの付いていない偽ブランドなんてありますか？～『偽ブランド狂騒曲　～なぜ消費者は嘘を買うのか』サラ・マッカートニー著" />
    <id>tag:www.niche-ad.com,2007:/okisan//2.1192</id>
    
    <published>2007-02-05T04:07:50Z</published>
    <updated>2007-02-05T04:20:38Z</updated>
    
    <summary> ●つまるところブランド力とは信頼の証だ 　先日テレビ東京の「ワールド・ビジネス...</summary>
    <author>
        <name>niche</name>
        
    </author>
            <category term="okisan_沖さん" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.niche-ad.com/okisan/">
        <![CDATA[<div class="imgYoko"><img alt="4478502714.01.IN01._SS400_SCLZZZZZZZ_.jpg" src="http://www.niche-ad.com/okisan/4478502714.01.IN01._SS400_SCLZZZZZZZ_.jpg" width="200" height="289" /></div>

<strong>●つまるところブランド力とは信頼の証だ</strong>


　先日テレビ東京の「ワールド・ビジネス・サテライト」を観ていたら「資産化するブランド」と題してブランドの特集をしていた。その番組によると巷の約８割の人間が商品を購入するさいに“ブランド”を意識していると言う。このデータによると約２割の人間はブランドを意識せずに商品を選択しているということになるが、それらの人間も「ブランド物は買いたく無い」という逆向きの意識が働いているのであって、結局のところほとんどの人間が好きにせよ、嫌いにせよブランドを意識していることになるだろう。


　基本的に強いブランド力は、それに応じて商品に高い値付けがされる。ブランドを形成するには時間がかかるものだ。長い年月をかけてという時間軸の裏づけが“信頼”へと結びついている。いきなり見ず知らずの企業が高価格で、その価格に見合った高性能、高品質の商品を作ったとしても普通消費者の心を掴むことはできない。


　圧倒的多数の消費者は無知なのである。自分自身の眼力で商品の「良い悪い」を選別することはできない。多くの消費者は質屋の目利きのような技術は持っていないのだから、信頼が強い製品を買いたいということになる。ブランドを求める消費者の１つの心理は「せっかく高い金額を払うのだから、騙されたくない」というものだろう。強いブランド力を構築している商品は、多くの消費者が、長い年月に渡って“裏切られなかった”ことの証明になっているのである。


<strong>●偽物と分かっていて買うフリーライダー</strong>


　ブランド品とは高級な品質や高性能な要素のある商品なので、当然その品質代や、商品の開発費用の分、価格は高く設定される。そしてブランド力を継続し、維持するための広告費やブランドイメージを高めるための費用がかかってくる。たとえば都心の一等地に店舗を構えることや、世界的なスポーツを協賛、社会的地位向上活動への参加などでかかる費用のことだ。これが俗に言う“ブランド代”なのだが、前述しているとおり、このブランドが商品についていることで、消費者は「信頼」を買うことができる。


　ところが基本的に“闇”（ブラックマーケット）ではブランドの名前をタダで拝借したニセモノが売られている。このニセモノの中にもホンモノと比べて遜色ないほど高品質で、高性能な偽ブランドも存在する。中には本当に全く同じ品質の製品を闇のルートで仕入れた偽ブランドもある。このニセモノは正規の店舗で買うステイタスが無いだとか、保証書が付かないというマイナス面はあるものの単純に良いモノが欲しいという物欲だけがブランド品を買う目的だとする人にとって魅力的な商品になるのだろう。


　本書では世帯や個人の可処分所得の違いから、ホンモノのブランド品が買いたくても買えない層が存在すると指摘している。


<font color="009900">　本物か偽物かを選べる人たちは運がいい。ではそういう人たちはどちらを選ぶのか。それは機能的属性に比べて象徴的価値がどれだけ重要か、その人がどのような社会集団に属しているか、そして誰かに偽造品だと見破られると思っているかどうかによって左右される。
（本書５８ページより抜粋）</font>


　私は一瞬この指摘は間違っていると非難しようと思ったが、よくよく考えるとこの指摘は確かに正しい。私は一瞬「偽造品であることを回りにアピールして買う人もいる」と主張しようと思ったのだ。しかし彼らはどの集団でもアピールしている訳ではなく、バレることが最初から分かっているから、それならば自分から言ってしまおうと計算しているに過ぎない。見破られることがまずありえない集団の中ではさもホンモノを持っているように装っているのである。


<strong>●ロゴマークの付いていないブランド品のコートを買えますか？</strong>


　ホンモノであろうと、ニセモノであろうとブランド品の好きな人がブランド品を買う最大の理由は“見栄”である。ことによると“虚栄心”と表現できるかもしれないが、その見栄とは自分を表現する場合にブランド品を持つ自分が分かり易く表現できるからだ。


　エルメスの高級婦人鞄「バーキン」を買う人の買った理由を品質だとか、デザインだとか言うかもしれない。しかしそれは決して嘘では無いがそれは副次的な理由であって、一義的な理由は“見栄”であるはずだ。全てのエルメスファンが見栄で大金を支払っているとまで言うつもりは無いが、本当にエルメスの世界に惚れているならばそのブランドのコートを買うことができるだろう。コートは外から見てどこにもロゴがついていないので、一見どこのメーカーの製品か分からないものだ。


<font color="009900">　ロゴの付いていない偽造品を見たことがあるだろうか。大勢の人々が偽造品を買うのは、偽のロゴに嘘をついてほしいから、そして真実と思い込みたいからなのだ。
（本書８７ページより抜粋）</font>


　ニセモノのブランド品を売る露店商に置かれているモノはカバン、サイフ、時計というものだが、これらの製品はサイズの違いが無いから売り安いのではない。すべからくロゴが付いているので、どこのブランドか分かり安いから消費者に求められるからなのである。


　ホンモノのブランド品でもロゴが分かり易く入っていないものはほとんど売れ無い。売れるブランド品とはロゴが分かり易く入っていて、自分がそのブランドを所持していることを周りにアピールできるものなのである。


　本書は偽ブランドを購入する消費者心理を描いているに留まらず、そのような消費が犯罪集団に結びついていると政治的な話まで描かれている。単純に読み物としては面白いだろう。


　ブランド力の形成には、第一に「クチコミ」が一番効果的だとされており、第二に効果的な方法は「メディアで取り上げてもらうこと」だと指摘している。第二の方法は有名人が実物を使っていることを報道してもらうことなのだが、広い意味で“パブリシティー”だと言えよう。


　次回コラムはこのパブリシティーに注目してみよう。

<br>
【オススメ度（辛口）】
<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4478502714?ie=UTF8&tag=nichemedianew-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4478502714">偽ブランド狂騒曲―なぜ消費者は嘘を買うのか</a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=nichemedianew-22&l=as2&o=9&a=4478502714" width="1" height="1" border="0" alt="" style="border:none !important; margin:0px !important;" />　　<font color="FF9900">★★★</font>☆☆
<br>
<br>
次回コラム予告
「山見式PR法~メディアが取り上げたくなる5つの切り口」<br>
<br>
【関連サイト】　
<a href="http://mba.livedoor.biz/">沖　広一郎　ブログ</a>
<a href="http://www.artmode.jp/">アールモード</a>
]]>
        
    </content>
</entry>
<entry>
    <title>本のカバーや帯、そして横文字表記の妥当性～『花を売らない花売り娘の物語』権八成樹著</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.niche-ad.com/okisan/2007/01/post_28.php" />
    <link rel="service.edit" type="application/atom+xml" href="http://www.niche-ad.com/cgi/mt32/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=2/entry_id=1161" title="本のカバーや帯、そして横文字表記の妥当性～『花を売らない花売り娘の物語』権八成樹著" />
    <id>tag:www.niche-ad.com,2007:/okisan//2.1161</id>
    
    <published>2007-01-29T02:46:45Z</published>
    <updated>2007-01-29T02:55:51Z</updated>
    
    <summary> ●モノを買う時の消費者の心 　タイトルに掲げられている「花を売らない花売り娘」...</summary>
    <author>
        <name>niche</name>
        
    </author>
            <category term="okisan_沖さん" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.niche-ad.com/okisan/">
        <![CDATA[<div class="imgYoko"><img alt="4334933629.01._SS500_SCLZZZZZZZ_V1124261948_.jpg" src="http://www.niche-ad.com/okisan/4334933629.01._SS500_SCLZZZZZZZ_V1124261948_.jpg" width="200" height="292" /></div>

<strong>●モノを買う時の消費者の心</strong>


　タイトルに掲げられている「花を売らない花売り娘」の話は、商売の本質はどこにあるのかという例えだ。一瞬このフレーズを読むと、花屋さんであるにも関わらず、ケーキやお魚を売るカリスマ営業マンの“花売り娘”がいて、その女の子のストーリーが書かれているのかと思う。しかしこのタイトルはあくまでも誇張した例示であって、本書で描かれている“花売り娘”は実際には“Flower”（花）を売っている。


　本書で伝えたいメッセージは、消費者が花を買いに来る時に、<font color="#ff0000">その裏に隠されている欲求は何かを見極めよ</font>ということだ。その欲求を充足させるソフトと、本質的なＣＳの追及を伝えているに過ぎない。


<font color="009900">　まずは購買代理人として顧客を知ることです。
　そのうえで顧客の願望や課題に合った解決策、場合によっては客が思ってもいないような素晴らしい解決策を用意し、顧（個）客価値として提供することです。そしてお客を感動させる touching customer’s heartこと、それがソリューション・オファリングです。
　（本書１５２ページより抜粋）</font>


<strong>●光文社ペーパーバックスを買うビジネスマンの本質</strong>


　本書は光文社の“ペーパーバックス”のシリーズから上梓されており、このシリーズの本を書店で多く見かけるようになった。特に駅中の書店などでは手軽に購入することのできるビジネス書として人気があるようだ。このペーバーバックスの差別化は以下の通り。


<font color="#ff0000">①ジャケットや帯を排除
②使用する紙ができる限り再生紙
③本文は全て横書き
④英語などの外来語を横書きそのままに取り入れる形態</font>


　①と②のように本の過剰包装を排除しているので、このシリーズの本は安価だ。今回のこの本も税込み1,000円という価格であり、多くのハードカバーの本が1,500円以上という中で1,000円という価格は約35％の割引に等しい。実際に海外の本はほとんどこの体裁になっていて、カバーや帯という“ハード”は「本の内容を会得したい」という消費者の欲求とは全く関係の無いものだ。海外の旅人の小説を触らせてもらうとその“軽さ”にビックリする。わら半紙のような再生紙を利用していることで、この軽さが実現しているのだが、重たい鞄を持つビジネスマンにとって本が軽いという魅力は大きいだろう。


　本書の体裁も“花売り娘”と同じ理屈だ。本を買う消費者（このシリーズはビジネスマンが多いだろう）の本質的な欲求は、外見では無く中身であり、その内容を安価に手にいれるために“安さ”と“軽さ”はプラスに働くという点から来ている。安さと軽さだけならば文庫本の本で十分かもしれないが、文庫には無い価値がこの本には内在している。


　もしカバーや帯という過剰包装を無駄だと思っているのが消費者の本質的な欲求だとするならば、本を購入する際に書店の“カバー”は絶対に不要なハズだ。しかしこの本を買おうが、通常のハードカバーを買おうが、書店のカバーを求める消費者は、この本でも同様に書店カバーを求める。この本を求めるビジネスマンの本質はカバーや帯が無いという“体裁”ではなく、“低価格”と文庫本よりハードカバーのサイズに近い“形体”である。


　このシリーズの本のポジショニングは、雑誌とハードカバー本の中間、そして新品の本と古本の中間に位置している。通勤などの手軽に何かを読みたいという願望がある際に、「雑誌よりはキチンとした本を読みたいけれど、ハードカバーの本を買うのはちょっと高いかなというビジネスマン」が消費者像として想定される。


<strong>●古本市場のハードの付加価値</strong>


　本のカバーや、帯が読書家にとって大切な要素であることは、オークションや古本屋の市場価格から見ることができる。実際に古本として売買をする際に、カバーや帯が無傷であるかどうかは価格に大きな影響がある。「本の知識を会得したい」という願望のみが本を買う人の目的ならば、よほど大きな傷みで無い限りカバーや帯の汚れ具合はどうでも良いことのはずだ。


　もちろん文庫は読みにくいからもう少し大きな本が良いという読者もいるだろうし、ただなんとなく面白そうだから手に取って買ってみたという消費者もいるだろう。しかし本の売り手から消費者の本質的な目的を考えた場合、カバーや帯という一見無駄なものであっても、この厚化粧に価値を見出す消費者はたくさんいる。


<strong>●ペーパーバックスの横文字表記</strong>


　このシリーズの本の特徴として横書きでできる限り外来語をそのまま表記するという体裁を取っている。昨今の日本は外来語が飛び交っており、街中の看板やブランド名、商品名も横文字のオンパレードだ。その流れからすると、横書きで外来語をそのままの表記で記述するというのは理に適っているといえるだろう。


　しかしこのシリーズの本はどれも極端に横文字を使い過ぎだ。前述した引用部分の


<font color="009900">　そしてお客を感動させる touching customer’s heartこと、それがソリューション・オファリングです。</font>


　このように書かれてピンと来る人がどれだけいるだろう。


<font color="#ff0000">　そして顧客を心から感動させる提案を行うことが、マーケティングの解決策となるのです。
（コラム筆者沖の意訳）</font>


　これで十分だし、この方が読者の心にスンナリ入って来るのではないだろうか。
本書はこの引用に限らず、やたら滅多らと横文字表記が出て来て、読みにくい。もちろん業界用語のような横文字表記をカッコ良いと思う人もいるので、顧客ターゲットに想定される通勤電車のビジネスマンにこの横文字表記をカッコ良いと思う人が居れば、このシリーズはビジネスマンに強く支持されるだろう。


　本書は新大阪駅の駅中にある本屋で「ロングセラーには訳がある！」として平積みされて大々的にセールスしている。私は東京行きの新幹線の中での読書に本書を買い求め、まんまと書店や光文社のマーケティングのワナにはまった消費者だ。


　この本の新しい体裁は独自路線を行く面白い試みである。確かにビジネスマンをターゲットとしたマーティングとしては上手いアイデアだと思う。本書の内容はオーソドックスなマーケティング理論で、人生論など読み物として面白いところがある。しかしとにかく本書の記述は読みにくいと私は思う。

<br>
【オススメ度（辛口）】
<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4334933629?ie=UTF8&tag=nichemedianew-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4334933629">花を売らない花売り娘の物語―ハイタッチ・マーケティング論</a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=nichemedianew-22&l=as2&o=9&a=4334933629" width="1" height="1" border="0" alt="" style="border:none !important; margin:0px !important;" />　　<font color="FF9900">★★</font>☆☆☆
<br>
<br>
次回コラム予告
「偽ブランド狂騒曲　～なぜ消費者は嘘を買うのか」<br>
<br>
【関連サイト】　
<a href="http://mba.livedoor.biz/">沖　広一郎　ブログ</a>
<a href="http://www.artmode.jp/">アールモード</a>
]]>
        
    </content>
</entry>
<entry>
    <title>利他的な広告表現“他の広告本もお読みください”～『広告でいちばん大切なこと』クロード・C・ホプキンス著</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.niche-ad.com/okisan/2007/01/c_1.php" />
    <link rel="service.edit" type="application/atom+xml" href="http://www.niche-ad.com/cgi/mt32/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=2/entry_id=1134" title="利他的な広告表現“他の広告本もお読みください”～『広告でいちばん大切なこと』クロード・C・ホプキンス著" />
    <id>tag:www.niche-ad.com,2007:/okisan//2.1134</id>
    
    <published>2007-01-22T02:40:29Z</published>
    <updated>2007-01-22T02:50:31Z</updated>
    
    <summary> ●なぜ企業はマス広告をし続けるのだろう？ 　どんなに売れている商品でも何も手を...</summary>
    <author>
        <name>niche</name>
        
    </author>
            <category term="okisan_沖さん" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.niche-ad.com/okisan/">
        <![CDATA[<div class="imgYoko"><img alt="4798112151.01._SS500_SCLZZZZZZZ_V35716252_.jpg" src="http://www.niche-ad.com/okisan/4798112151.01._SS500_SCLZZZZZZZ_V35716252_.jpg" width="200" height="288" /></div>

<strong>●なぜ企業はマス広告をし続けるのだろう？</strong>


　どんなに売れている商品でも何も手を加えなければ必ず衰退期はやってくる。
　普通、“広告”というものを表現する場合、“マス広告”のことを指しており、不特定多数に自社の商品やサービスをアピールする表現方法である。商売をする上において、マス広告は絶対条件ではない。もちろん自社やブランドに対する熱狂的に溺愛する優良な顧客を既に大量に抱えている企業であれば、その優良顧客に対してダイレクトマーケティングすれば良い。高いＣＳを維持することができれば、その企業やブランドから新製品が発売されたとしても、企業やブランドに対しての忠誠が顧客にはあるので売上は維持される可能性は高い。


　しかしどんなに顧客から長年愛されている、つまりは信頼の強いブランド企業でも、自社が抱えている顧客を永遠に保持し続けることは不可能だ。企業に落ち度がなくとも、顧客は「ブランド選択の自由、アハハ～ン♪」とばかりに突然浮気心を働かせる。結果、企業は存続し、成長し続けるという命題において“新規顧客”を獲得し続けなければならない。


<strong>●自信のある商品ならば、他社の製品も勧めよう</strong>


<font color="009900">　利己的な主張をすれば、人々は断固として抵抗する。しかし、自分ではなく顧客の要望を第一に考えているように見せれば、客は群れをなしてやって来る。
　広告における大きな過ちを二つ挙げるなら、それは自慢と利己心である。
　（本書１０９ページより抜粋）</font>


　言うに及ばずマス広告を打つには多額の費用がかかってくる。大きな利益を出していて潤沢に広告費を出せる企業ならいざ知らず、１回の広告に社運の全てを賭けているような中小企業であれば、その１回に気合を入れてくる。企業はライバル企業からの自社への乗り換えを顧客に促し、自社から他社への乗り換えを阻止しようとするのだ。その結果<font color="#ff0000">「類似品にご注意を」</font>、<font color="#ff0000">「本物をお求め下さい」</font>というコピーを出してしまう。著者がこのミスに陥らず、顧客の目線に立ち、自社の製品がいかに優れているかをアピールするコピーとして<font color="#ff0000">「ライバル製品もお試しください」</font>というコピーを採用した。


　このメッセージがいかに素晴らしいものであるかお分かりになるだろうか。このメッセージは顧客の目線に立った企業であることや、それだけ自信を持った製品であることをアピールするだけに留まらない。<font color="#ff0000">「イヤなら無理して買わないで良いですよ」</font>というような殿様広告は、クレーム回避に繋がるということも見逃せ無い。


　広告やマーケティングは恋愛と同じだ。「お願いします」の懇願広告や、ビジネス色の強い広告を見ると、人々は引いていく。押せば彼女は逃げていくのだ。


<font color="009900">　今日でも、大半の広告は「うちのブランドを買え」と訴えている。このような訴えが人々の心をとらえたことはないし、これからもないだろう。
　（本書１１０ページより抜粋）</font>


<strong>●イメージ広告に走るべからず</strong>


　広告業の経験がある者、中でも紙媒体の広告の経験があるものは費用対効果の良い広告がどのようなものであるのかが分かっているはずだ。一般の人間は広告と聞くと、ＴＶの広告をイメージする。その中で、広告大賞を取るような新鮮でオシャレなイメージ広告を連想する。たとえばユニクロや日産、アップル、ソニー、コカ・コーラのようなＴＶＣＦである。


　これらのオシャレなＣＭは大企業でブランドが確立されているから許される芸当だ。イメージ広告は「顧客の脳裏にブランドネームさえ残れば良い」という考えであり、この広告の悪いところは、広告の費用対効果が数値で測られないところにある。広告に携わる人間なら、誰しもオシャレなイメージ広告を打ち、新しい伊吹で自分のセンスをアピールしたいと思うものだろう。


　しかし費用対効果に敏感な広告マンこそ優れた広告マンであり、特に紙媒体の広告においては、「これでもか！」と言うほど情報は盛り込み、小さい文字で顧客に伝える広告をしなければならない。


<font color="009900">　これは事実だ。スペースを無駄にしないという原則は、何百もの商品で何千回ものテストを繰り返した結果、普遍性があることがわかっている。どんな商品の広告でも、スペースを無駄にするのは愚行であることが証明されている。
　（本書１７１ページより抜粋）</font>


　紙媒体の広告で“大切なこと”をこれほど明確にしている本はない。本書で絶対に読み飛ばしてはならない「広告でいちばん大切なこと」は個人的に上記の指摘だと言いたい。


<strong>●100年経っても色褪せない広告の真髄</strong>


　本書は約100前のアメリカで活躍した天才広告マン、クロード・ホプキンスの自叙伝を元にしている。現代は100年前に比べて、マスメディアが飛躍的に発展した。しかし広告の表現方法は幾度となく変容してきても、作り手が広告に入れ込むメッセージは今も、100年前も変わらないということが本書を読んで気づかされることだろう。
もちろん広告のイロハを説明した書物は本書以外にも数多く存在する。
<font color="#ff0000">「是非違う広告本もお読みいただきたい。」</font>


<font color="009900">　ここで強調したいのは、私の主張は常に利他的だったということである。私は常にサービスを提供した。人々が何のリスクも負わずに試すことができるものを提案した。
（本書８７ページより抜粋）</font>

<br>
【オススメ度（辛口）】
<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4798112151?ie=UTF8&tag=nichemedianew-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4798112151">広告でいちばん大切なこと</a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=nichemedianew-22&l=as2&o=9&a=4798112151" width="1" height="1" border="0" alt="" style="border:none !important; margin:0px !important;" />　　<font color="FF9900">★★★</font>☆☆
<br>
<br>
次回コラム予告
「花を売らない花売り娘の物語」<br>
<br>
【関連サイト】　
<a href="http://mba.livedoor.biz/">沖　広一郎　ブログ</a>
<a href="http://www.artmode.jp/">アールモード</a>
]]>
        
    </content>
</entry>
<entry>
    <title>全米No.1のファストフード“IN-N-OUT”はなぜ日本に来ない？～『J.D.パワー　顧客満足のすべて』J.D.パワーⅣ世＋クリス・ディノーヴィ著</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.niche-ad.com/okisan/2007/01/no1innoutjdjd.php" />
    <link rel="service.edit" type="application/atom+xml" href="http://www.niche-ad.com/cgi/mt32/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=2/entry_id=1111" title="全米No.1のファストフード“IN-N-OUT”はなぜ日本に来ない？～『J.D.パワー　顧客満足のすべて』J.D.パワーⅣ世＋クリス・ディノーヴィ著" />
    <id>tag:www.niche-ad.com,2007:/okisan//2.1111</id>
    
    <published>2007-01-15T02:30:32Z</published>
    <updated>2007-01-22T02:58:56Z</updated>
    
    <summary> ●J.D.パワーの知名度が上がった要因 　J.D.パワーが、企業やブランドの顧...</summary>
    <author>
        <name>niche</name>
        
    </author>
            <category term="okisan_沖さん" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.niche-ad.com/okisan/">
        <![CDATA[<div class="imgYoko"><img alt="4478375208.01._SS500_SCLZZZZZZZ_V59126528_.jpg" src="http://www.niche-ad.com/okisan/4478375208.01._SS500_SCLZZZZZZZ_V59126528_.jpg" width="200" height="288" /></div>

<strong>●J.D.パワーの知名度が上がった要因</strong>


　J.D.パワーが、企業やブランドの顧客満足（CS）調査をしているということは日本でも有名になってきている。数年前まで日本でのJ.D.パワーの名称の知名度はあまり高くなかったと思うが、ここ数年になってよく聞かれるようになった。


　恐らくJ.D.パワーの名前が日本国内で浸透した最大の要因はLEXUS（レクサス）から来るものではないかと思う。2005年8月からレクサスは日本国内での販売を開始したが、それ以前にレクサスは北米で強力なブランドを構築することに成功している。アメリカ人は今もレクサスが世界ナンバーワンのプレミアムブランドだと信じて疑っていない。今も「所詮トヨタの車じゃないか」と日本国内では揶揄されるレクサスだが、アメリカでいかにレクサスが成功しているのかの象徴として言われるのが、アメリカでの高い「顧客満足度」だ。


　昨年こそポルシェに1位の座を譲り渡したが、それまでレクサスは11年連続で米国新車初期品質調査の第1位を堅持し続けていた。レクサスは北米で驚異的な販売実績があるだけでなく、顧客満足としてもダントツの１位を維持し続けたのだ。そのことで、「レクサスブランドは素晴らしい」という印象を逆輸入しようとトヨタは考えたのである。その顧客満足度調査を出すときに「J.D.パワー調べ」というクレジットがつく。このことでJ.D.パワーの知名度は日本で格段にUPしたのではないかと私は思う。


<strong>●ブランドはつくることができるか？</strong>


　街で「ブランドとは何か？」というアンケートをすれば、「高価格、高品質」というキーワードが上位に来るはずだ。さて突然だが、「ブランドは作るものか、作られるものか」という議論の違いが分かるだろうか。前者の「作るもの」だとするならば、それは企業が恣意的に顧客やマーケットに働きかけた上でブランドは形成できるという考えになる。後者の「作られるもの」だとするならば、その主体は顧客やマーケットにあり、企業の恣意性は薄くなる、もしくは恣意性は否定される。


　この議論でどちらが正しいという結論は無いのだけれど、顧客満足がブランド構築に不可欠であることは間違いない。J.D.パワーが現在のところ顧客満足の“権威”だとするならば本書の中で記述されている顧客満足の指標がブランド構築の基礎になるだろう。
　本書のサブタイトルにこんな記述がされている。


<font color="009900">「信頼と品質は顧客が決める」</font>


　どんな書物でもタイトルは内容のエッセンスだ。つまり顧客満足の主体は「顧客」にあるのであり、信頼と品質を企業は最大限に高めることで、結果的に顧客満足度が上がるものになる。


　ブランド構築に顧客満足が絶対条件であるならば、ブランドは「作られるもの」という結論が導かれる。


<font color="009900">　本書で顧客満足のリーダーとして紹介されているほとんどの企業は、概して非高級ブランドだ。低価格層で戦っている企業もある。彼らがそのなかで最高の顧客満足を提供している理由は単純だ。トップダウンに始まり、顧客満足が単なるキャッチフレーズではないという意識が企業文化として浸透しているからだ。それが顧客に最も好影響を与えるプロセスに注力することにもつながっている。
（本書１８０ページより抜粋）</font>


　ブランド構築に高価格や高品質は副次的なもので、十分条件ではないことが分かるだろう。顧客満足の充足には“真実の瞬間”としてエンドユーザーと直に接する従業員の意識と、その意識が発露する企業文化が大切なのだ。


<strong>●ハンバーガーチェーン“IN-N-OUT”</strong>


　アメリカ・カリフォルニア州に本社を持つファストフードチェーン“IN-N-OUT”（インアンドアウト）をご存知だろうか。そして、実際にこの店のハンバーガーを食べたことがあるだろうか。


　この世に「絶対に儲かる」なんてビジネスは存在しないが、もしこの店を日本に進出することができたら、「絶対に爆発的にヒットする」と私は断言したい。かつてレンタカーでアメリカを旅していた時に、現地に留学する人から「絶対に食べに行った方が良い」と勧められた店がインアンドアウトだった。その時、この店を形容する言葉として使われたのが「アメリカ人が行列をする店」だった。日本はおろか、アメリカにはマクドナルドやバーガーキングをはじめとしてハンバーガー店は数知れず存在する。無理して並ばなくても“Fast Food”できるのだ。しかし一度この店のハンバーガーを食べてみれば分かる。今まで食べていたハンバーガーやポテトは何だったのかと悲しくなるほど、美味い。劇的に美味い。


　この感想が私の個人的な主観ではないことが、J.D.パワーの調査で明らかになっている。米国で行った「外食産業顧客満足度調査」で、インアンドアウトはどのファストフードよりも高いスコアを叩き、ぶっちぎりの１位にランクされた。


<font color="009900">　インアンドアウトバーガーの戦略担当副社長、カール・ヴァン・フリートにどうやってこの快挙を成し遂げたのか尋ねてみると、多くの顧客満足のリーダー企業と同じ考えを示した。要はどんな人材を採用するかであり、優秀な人材を獲得するためにお金を惜しまないというのだ。
（本書１９０ページより抜粋）</font>


　上記の指摘の通り、顧客満足における要素として最も重要なのは「従業員の質」なのである。インアンドアウトが世界展開はおろか、全米各地にも店舗を拡大しない理由は従業員の品質管理が疎かになるからだろう。


　マーケティングにおける「顧客満足」は、商品やサービスを顧客が購入した後の段階である。しかし本書はその時系列の１部ではなく、マーケティング全体が網羅されており、人事採用やESまでも記述されている。企業の経営に必読の書だと断言したい。

<br>
【オススメ度（辛口）】
<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4478375208?ie=UTF8&tag=nichemedianew-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4478375208">J.D.パワー 顧客満足のすべて</a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=nichemedianew-22&l=as2&o=9&a=4478375208" width="1" height="1" border="0" alt="" style="border:none !important; margin:0px !important;" />　　<font color="FF9900">★★★★★</font>
<br>
<br>
次回コラム予告
「広告でいちばん大切なこと」<br>
<br>
【関連サイト】　
<a href="http://mba.livedoor.biz/">沖　広一郎　ブログ</a>
<a href="http://www.artmode.jp/">アールモード</a>
]]>
        
    </content>
</entry>
<entry>
    <title>女性はホンダのS2000に乗りたくない？～『あっ、買っちゃった。』松本朋子著</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.niche-ad.com/okisan/2007/01/s2000_1.php" />
    <link rel="service.edit" type="application/atom+xml" href="http://www.niche-ad.com/cgi/mt32/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=2/entry_id=1093" title="女性はホンダのS2000に乗りたくない？～『あっ、買っちゃった。』松本朋子著" />
    <id>tag:www.niche-ad.com,2007:/okisan//2.1093</id>
    
    <published>2007-01-08T02:41:35Z</published>
    <updated>2007-01-15T03:39:12Z</updated>
    
    <summary> ●男性客の気持ちしか分からない男性社員 　誰が何と言おうと全てのジャンルで商売...</summary>
    <author>
        <name>niche</name>
        
    </author>
            <category term="okisan_沖さん" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.niche-ad.com/okisan/">
        <![CDATA[<div class="imgYoko"><img alt="4894512467.01._SS500_SCLZZZZZZZ_V35609869_.jpg" src="http://www.niche-ad.com/okisan/4894512467.01._SS500_SCLZZZZZZZ_V35609869_.jpg" width="200" height="288" /></div>

<strong>●男性客の気持ちしか分からない男性社員</strong>


　誰が何と言おうと全てのジャンルで商売のターゲットは女性である。家庭における購買の最終決定権が嫁さんにあるというのは言わずもがなとして、例え独身貴族の男性であっても「女性にモテたい」「女性に良く見られたい」という心理が消費者には働いている。つまり女性が自分のモノであれ、他人のモノであれ「あっ、良いわね」と女性に思われること、この感情を制するものがマーケットを制すると考えて間違い無い。

　
　男性と女性とでは、商品やサービスを購入する際に「コレ良いな」と思う要素に大きな違いがあるだろうか。その点において、本書は男女の購買行動には全く違う視点があるという前提に立っており、その視点を浮き彫りにすることで、優れたマーケティング活動ができるようになるということが記述されたものだ。


　マーケティング部だけに限ったことではないが、日本の企業で働く社員は圧倒的に男性が多い。マーケティングを行う部署は大抵企業の中枢に位置しているので、その部署で働く人間はまず大抵“正社員”だ。アルバイトや契約社員が企業のマーケティングを担当することは普通ありえないので、正社員がその事業を行うのだが、この正社員は圧倒的に男性の方が多い。財布の紐を握っているのが女性であり、女性の心理が分かるものこそマーケットを制すると分かっていても、そのマーケティング活動を行うのは男性という矛盾が企業には存在する。


　そこで男性の気持ちしか分からない男性社員マーケッターが陥ってしまう間違いとはどんなことだろう。


<font color="009900">1.差別化、差別化と考えるうちに陥る、機能差別化への偏り
2.女性だけでなくヒトが理性的に買い物をするかのような錯覚を持ってしまうこと。
3.顧客である女性をわかったつもりにさせられているという実態
　（本書２３ページより抜粋）</font>


 この中で特に「１」の指摘で、苦い思いをする男性マーケッターは多いのではないだろうか。


<strong>●ホンダのステップワゴンと、S2000の違い</strong>


　数年前のミニバンブームほどでは無いが、今でもミニバンは国内で良く売れている。車の形状として「ミニバン」というものがどのようなものか分からない人に説明すると、7～8人乗ることができる“ずんぐりむっくり”の形をした自動車のことだ。今でもホンダはオデッセイ、ステップワゴン、モビリオと売れるミニバンを抱えている。かつてホンダはF1で世界をリードし、若者向けのスポーツカーというイメージがあったが、今やホンダは「ミニバン会社になり下がった」と揶揄される。この「揶揄」しているのは男性の車ファンだ。


　多くの車ファンはこのミニバンが嫌いだ。彼らの主張は決まっていて「そんなにたくさん車に乗ることなんてないじゃないか」というものだ。事実、国内で走る自動車の平均乗車人数は1.3～1.4人というデータがあるし、何より少子化が加速するに伴い、家族全員でドライブに出たとしても７，８人がシートに埋まることはほとんどありえない。だから「ミニバンを買う人はバカだ」と、眉をひそめる。


　そんな陰口はお構いなしでミニバンは売れている。一家の財布を握るのは主婦であり、自動車の購入に至っては妻の一声が最大であり唯一の決定権である家庭も多く存在する。たとえ既婚者でなくても、女性にどんな車が好きか尋ねてみると良い。その中の回答で多くの女性から聞かれるのがステップワゴンなのである。


　ホンダが50周年記念として作ったオープンの２シータースポーツカー「S2000」が良いという女性はまちがってもいない。車ファンが絶賛するS2000を良しとせず、なぜ彼女たちは無意味に椅子がたくさんあるミニバンが良いと言うのだろうか。


<font color="009900">子供と一緒に○○することは女性を幸福にします。
（本書１１７ページより抜粋）</font>


<font color="009900">さらに、「みんなと一緒」は女性がとても幸福に感じるものです。
（本書１２４ページより抜粋）</font>


<font color="009900">気のおけない仲間と一緒に過ごす楽しいひととき。オシャレな演出があり、その中に自分がいることは、ものすごく快感なのです。
（本書１２６ページより抜粋）</font>　　


　ただ単純にこれだけのことで、ミニバンは「なんか、みんなでワイワイ旅行とかできて楽しそう」に女性は感じる。実際に年に何回みんなで旅行するのかなんて女性消費者は決して考えない。この女性の心理に対してクリエイティブディレクターの佐藤可士和がステップワゴンにつけた<font color="#ff0000">「こどもといっしょにどこいこう」</font>のコピーは家族回帰と子供を愛する妻の心にガンガンに響いたのである。


<strong>●これからはCSではなく、CH</strong>


　本書の主張はCH（カスタマー・ハピネス）という考えだ。マーケティングにおいてCS（CUSTOMER SATISFACTION・顧客満足）は消費者の購入後の感情コントロールに重きをおいた概念で、“売りっぱなし”にせず、アフターサービスや、「そもそもクレームの起こらない製品、サービス作りをしよう」という考えだと捉えて差し支えないだろう。


　著者はCHを<font color="009900">『購入時における「期待による幸福」と使用時における「浸かる幸福」の２種類の幸福にほって構成される』</font>と指摘しているが、つまりは顧客の満足度の測る時間軸を伸ばしてマーケティングに活かそうというものだ。


　著者の主張の元手は消費者のレシートの分析から導かれたもので、決して「なんとなくそう思うんだけれど…」という漠然としたものではない。しかしだからと言って、CHの考えを取り入れれば抜本的に商品開発が好転するというものでもない。CSはそもそもマーケティングの１部分に過ぎず、著者が指摘している考えはマーケティング全体のものだ。何も際立って新しい考えでもない。むしろ男性と女性の消費者行動の違いを深く掘り下げた方が良かったのではないだろうか。

<br>
【オススメ度（辛口）】
<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4894512467?ie=UTF8&tag=nichemedianew-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4894512467">あっ、買っちゃった。 一瞬でお客に反応させる快感マーケティング</a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=nichemedianew-22&l=as2&o=9&a=4894512467" width="1" height="1" border="0" alt="" style="border:none !important; margin:0px !important;" />　　<font color="FF9900">★★★</font>☆☆
<br>
<br>
次回コラム予告
「J.D.パワー　顧客満足のすべて」<br>
<br>
【関連サイト】　
<a href="http://mba.livedoor.biz/">沖　広一郎　ブログ</a>
<a href="http://www.artmode.jp/">アールモード</a>
]]>
        
    </content>
</entry>
<entry>
    <title>値ごろ感の消費者心理学～『おまけより割引してほしい』徳田賢二著</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.niche-ad.com/okisan/2006/12/post_26.php" />
    <link rel="service.edit" type="application/atom+xml" href="http://www.niche-ad.com/cgi/mt32/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=2/entry_id=1073" title="値ごろ感の消費者心理学～『おまけより割引してほしい』徳田賢二著" />
    <id>tag:www.niche-ad.com,2006:/okisan//2.1073</id>
    
    <published>2006-12-25T03:22:23Z</published>
    <updated>2007-01-10T07:45:20Z</updated>
    
    <summary> ●本当に「値引き」は悪なのか？ 　昨今のマーケティング学説としては「価格のもた...</summary>
    <author>
        <name>niche</name>
        
    </author>
            <category term="okisan_沖さん" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.niche-ad.com/okisan/">
        <![CDATA[<div class="imgYoko"><img alt="aaa20061225.jpg" src="http://www.niche-ad.com/okisan/aaa20061225.jpg" width="200" height="520" /></div>

<strong>●本当に「値引き」は悪なのか？</strong>


　昨今のマーケティング学説としては「価格のもたらす役割は消費者心理としてさほど大きくない」というのがある。自分の首を絞める「“価格競争”には陥るべきではない」という意見や、同様に「一旦値下げをしたら、それが標準の価格になるので二度と値上げできなくなる」という類のものだ。つまるところ、「値下げはせずに、付加価値（差別化）で高収益のビジネスモデルを形成しろ」ということになる。


　この意見は一見正しいし、論理としても通っているように思う。しかしながらビジネスをしていると、価格のもたらす役割はとても大きい。“とても”どころか、消費者は価格しか見ていないのではないかと感じられるケースは山ほどある。私は以前旅行会社でツアーの企画をしていた。その中での学習は「激安ツアーばかりが売れる」というものだ。他にも売れる商品を作る上でのポイントはたくさんあるのだが、少なくとも実際のビジネスにおいては価格が消費者に与える影響は極めて大きいという実体験はある。


　では昨今の「値下げはするな」というマーケの定説は間違っているのだろうか。200万円の車と、3万円のママチャリのどちらが安いかは比べることができないように、その商品ごとによって消費者の価値観は変わってくる。消費者が漠然と感じている“標準価格”と照らし合わせてその商品に“値ごろ感”があるかどうかがポイントとなって判断を下している。


　よく言われる“値ごろ感”だが、どのように消費者は値ごろ感の強弱を決めているのだろう。その答えが左上の図式だ。本書の一番のポイントは、この「“値ごろ感”の分数式」だと言いたい。


<strong>●なぜ、おまけより割引に消費者は軍配を上げるのか？</strong>


　図式の理解を深めるために、例示を出してみよう。1,000円の商品があるとして、値引きをする方が良いのか、“おまけ”をする方が良いのかという例えだ。1,000円の商品に1,000円の価値があるとすると、値ごろ感は1,000/1,000で「1.0」になる。200円の値引きをすると、1,000/800で「1.25」だ。200円分の“おまけ”をつけると1,200/1,000で「1.2」なる。この図式から値ごろ感は「値引きは1.25」で「おまけは1.2」になる。“値ごろ感”の効用値を上げるには、分母の数値（COST）を下げる方が、絶対値は上がるということが理解できるだろう。


<font color="009900">　このおまけと割引の選択の問題は心理を抜きには考えられない。つまり、「割引」は支払、すなわち損失を軽減してくれるのに対して、「おまけ」は新たな価値の提供である。結論から言えば、すでに「はじめに」で紹介したように、割引する方が大きな値ごろ感を生み出す。おまけをする財源があるなら、それを割引に使った方がいいということになる。これは、私たちには、心理的なバイアスの一つとして「損失回避（loss aversion）」という意識があるからである。
（本書４０ページより抜粋）</font>


<strong>●損失を恐れる消費者の本能</strong>


　本の売れ行きを見ていると、ベストセラーがベストセラーを生んでいるように見える。『脳内革命』、『世界の中心で愛を叫ぶ』、『バカの壁』などはタイトルやパッケージングに売れる仕組みが隠されているが、多くの消費者は“ベストセラー”として常に上位にランキングされ、そして話題になっているという事実が購入の動機になっているように思われる。このような購買行動にも“値ごろ感”はあるのだろうか。
まずその前に、消費者の心理として大きなウェイトを占めるのは次のどちらか分かるだろうか。


<font color="#004a95">①歓楽を助長する
②苦痛を取り除く</font>


　サブタイトルに答えが書いてあるし、貴方が優れたマーケッターであるならば、圧倒的に「②苦痛を取り除く」という目的に消費者は金を惜しみ無く払うということが理解できるだろう。人間は病気になって健康の有り難さが分かるように、苦痛というものに対して極度の回避本能がある。快楽が続くと人間はそれを“日常”と感じるようになり、その快楽に対しての限界効用は高くなるということが言える。


　同様に人間は通常の消費に対しても、できるだけリスクを回避したいと考える。「良い買い物をした」という満足感より、「こんなもの買わなければ良かった」という後悔（リスク）を取りたくないと考える。そこでベストセラーにランキングされている本というのはその時点で、多くの顧客が買い続けている証であり、多くの読者（顧客）が満足しているという証であるので、初見（未読）の本に対する不安（リスク）が低い。結果として、ベストセラーが更なる購買を助長するというのは合点がいく。


<font color="009900">　当然ながら負担はなるべく少ない方がいい。または少なく感じた方がいい。この感覚は、「その１」で登場した欲求の一つ、自分自身の安全を追及する安全欲求のせいである。これは、現状を損なう「価値の損失」を嫌うだけでなく、損失に直結した費用負担、負担増を嫌う意識、「損失の回避」のベースにもなっている。特にこの欲求は欲求階層の中でも下層に位置し、ほぼ誰もが持っている本能とも言える基本欲求の一つである。したがって安全欲求をベースにした「損失回避」、「負担回避」の意識はかなり根強いものであると考えた方がいい。
（本書５６ページより抜粋）</font>


　本書は“値ごろ感”という漠然とした消費者が求める感覚がどのように形成され、売り手はどのように消費者に働きかければ良いのかが分かる良書だ。マーケティングは心理学と密接な関係がある。「愚作のビジネス書を読みたく無い」という損失回避の欲求を満たすために私は本書を強くお勧めしたい。

<br>
【オススメ度（辛口）】
<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/448006334X?ie=UTF8&tag=nichemedianew-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=448006334X">おまけより割引してほしい―値ごろ感の経済心理学</a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=nichemedianew-22&l=as2&o=9&a=448006334X" width="1" height="1" border="0" alt="" style="border:none !important; margin:0px !important;" />　　<font color="FF9900">★★★★</font>☆
<br>
<br>
次回コラム予告
「あっ、買っちゃった。」松本朋子著<br>
<br>
【関連サイト】　
<a href="http://mba.livedoor.biz/">沖　広一郎　ブログ</a>
<a href="http://www.artmode.jp/">アールモード</a>
]]>
        
    </content>
</entry>
<entry>
    <title>自分のマーケティング力に自信を持たせる書～『「国民食」カレーで学ぶマーケティング入門』井上岳久著</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.niche-ad.com/okisan/2006/12/post_24.php" />
    <link rel="service.edit" type="application/atom+xml" href="http://www.niche-ad.com/cgi/mt32/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=2/entry_id=1048" title="自分のマーケティング力に自信を持たせる書～『「国民食」カレーで学ぶマーケティング入門』井上岳久著" />
    <id>tag:www.niche-ad.com,2006:/okisan//2.1048</id>
    
    <published>2006-12-18T02:54:51Z</published>
    <updated>2007-01-10T07:46:04Z</updated>
    
    <summary> ●商品開発を兼ねるマーケティング部署 　セールス（営業）部門とマーケティング部...</summary>
    <author>
        <name>niche</name>
        
    </author>
            <category term="okisan_沖さん" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.niche-ad.com/okisan/">
        <![CDATA[<div class="imgYoko"><img alt="4528018411.01._SS500_SCLZZZZZZZ_V40026588_.jpg" src="http://www.niche-ad.com/okisan/4528018411.01._SS500_SCLZZZZZZZ_V40026588_.jpg" width="200" height="301" /></div>

<strong>●商品開発を兼ねるマーケティング部署</strong>


　セールス（営業）部門とマーケティング部門が一緒になっているというのはマーケティングの本義からするとおかしな現象だ。本書の中で記述されているようにマーケティングとは「明日の収穫を夢見る種まき作業」であり、そのまいた種を効果的にセールスに活用していただくというところにマーケティングの意義がある。事業部単位が小さく、事業部間のみでの業績を評価されるのであればマーケとセールスを同時にする部署というのもありえるのだが、本来セールスの前段階にマーケが別事業として機能するべきであろう。


　つぎにマーケティングと商品開発、商品企画が一緒になっている企業は多く耳にする。これは問題ないだろうか。企業が新規に事業を始める場合や、新しい商品やサービスを開発するために求められるのは、顧客の“ニーズ”がどこにあるのかということだ。商品開発をする際に製品やサービス自体に目を向けてはならない。なぜならそれは“ウォンツ”であるからだ。顧客のニーズが具現化されたものがウォンツである。売れる商品やサービスの裏側には必ず潜在的なニーズが隠れているものであり、そのニーズを見る目が商品開発には求められる。


　そのニーズを明確化した上で、新商品開発を可能にする自社の特別な技術、アイデア、付加価値、つまり“シーズ”を付与して商品を開発する。


<font color="009900">　「だから通常、企業は自分たちがすでに持っている技術的なノウハウ、シーズをもとにして、なんとかそれを生かした新商品が作れないか、というふうに考えるわけだ。こういう考え方、やり方を、先ほどの『ニーズ志向』に比べて、『シーズ志向』という」
（本書４３ページより抜粋）</font>


　商品を開発する際に、顧客の「食べたい」というニーズにシーズというスパイスを付けて料理（ウォンツ）を提供するという考えは、マーケティングそのものだ。だから、商品企画部とマーケティング部が一緒になっているのはむしろ理に適っているといえる。


<strong>●マイオピアの警告と集中化は両立できるか？</strong>


　かつては繁栄を誇ったアメリカの鉄道事業（ＡＭＴＲＡＫ）が現代では見るも無惨な死に体になってしまった理由を、「自分たちは鉄道会社だ」という思い込みによって幅広い事業にのりだせなかったからだとする意見はよく聞かれる。


<font color="009900">　「彼らは、自分たちの企業ドメインを、鉄道事業という極めて幅の狭いものに設定してしまったのだよ。だから、鉄道以外のことをやろうという発想自体が生まれなかった。
　このように、自社の企業ドメインを必要以上に狭く定義してしまう失敗のことを『マーケティング・マイオピア（近視眼）』というだ」
　（本書７８ページより抜粋）</font>


　しかし経営で最も重要なのは「選択と集中」というのはよく聞かれる話ではないか。


<font color="009900">　「乏しい経営資源を一点に集中させるんだ。細かく分割された市場全体のうち、一つのセグメントだけに狙いを絞って、そこに製品を投入するんだよ。さっきの例でいえば、『うちはもうカレーしか作りません』といってメニューをカレーだけにしてしまうようなものだ。こういうやり方を、『集中化マーケティング』と呼んでいる」
　（本書９５ページより抜粋）</font>


　この２つの意見は一見すると矛盾するように見える。しかしこの２つは相反する意見では無い。もうお分かりだと思うが、顧客のニーズがどこにあるのかが分かれ目ということだ。鉄道事業にニーズがあり続ければ、鉄道事業１本に集中すれば良いのだし、鉄道の衰退期が来ることが予見でき、自社のドメインを違う事業に拡大（転用）できるという仮説があるならば拡大すれば良いのである。


<strong>●自分のマーケティング力に自信を持たせる書</strong>


　多くの例題をカレーにまつわる話として取り上げられているので、本書はとても面白く、そして分かり易く書かれている。表紙に吹き出しで書かれている「もっともわかりやすい」は決して美辞麗句ではなく、本当に分かり安い良書と言えるだろう。そしてタイトルにズバリ書かれているように本書はあくまでもマーケティングの「入門」だ。


　このコラムを読むようなマーケティングに関心のある人、もしくはマーケティングのプロフェッショナルが本書を読むと、この中で記述されているフレームワークやケースはどこかで聞いたことのあるもの、もしくは「知らなくてもそれくらいの分析はできる」というものばかりだ。しかし、だからこそ本書のような本は今一度読んでみた方が良い。何事においても基本は大切なように、本書のような入門書を読むと、「ああ、こういう分析もあったな」と再確認してくれる。そして何より大切なことは、自分のマーケティング力はもはや初心者レベルでは無いのだということだ。


　あなたがどんなビジネスキャリアを歩んできたのか、何年のビジネス経験があるのかは分からないが、いずれにせよ元々は初心者だったのである。
思い出してみよう。当初はＳＷＯＴも、４Ｐ，バリューチェーン、ファイブ・フォースも何もかも知らなかったはずだ。これらのフレームワークと呼ばれる分析手法を知っていたからと言って、偉いわけでもないし、逆に知らない人にマーケティング力が無いということも言えない。しかし、これらの分析手法を知っていることで企業や商品の“穴”が見つけ易くなることは確かではないだろうか。


　あなたは既に初心者では無い。入門書を今一度再読してみることで、自分のマーケティング力に自信を持っていただきたい。

<br>
【オススメ度（辛口）】
<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4528018411?ie=UTF8&tag=nichemedianew-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4528018411">「国民食」カレーで学ぶ　もっともわかりやすいマーケティング入門</a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=nichemedianew-22&l=as2&o=9&a=4528018411" width="1" height="1" border="0" alt="" style="border:none !important; margin:0px !important;" />　　<font color="FF9900">★★★</font>☆☆
<br>
<br>
次回コラム予告
「おまけより割引してほしい」
<br>
<br>
【関連サイト】　
<a href="http://mba.livedoor.biz/">沖　広一郎　ブログ</a>
<a href="http://www.artmode.jp/">アールモード</a>
]]>
        
    </content>
</entry>
<entry>
    <title>オバサンのレースの下着に見栄はあるのか？～『見栄の商品学』井原哲夫著</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.niche-ad.com/okisan/2006/12/post_25.php" />
    <link rel="service.edit" type="application/atom+xml" href="http://www.niche-ad.com/cgi/mt32/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=2/entry_id=1022" title="オバサンのレースの下着に見栄はあるのか？～『見栄の商品学』井原哲夫著" />
    <id>tag:www.niche-ad.com,2006:/okisan//2.1022</id>
    
    <published>2006-12-11T03:00:25Z</published>
    <updated>2007-01-10T07:46:33Z</updated>
    
    <summary> ●ベンツ、ロレックス、ヴィトンの共通点 　どんな商品にも性能や品質以外に“見栄...</summary>
    <author>
        <name>niche</name>
        
    </author>
            <category term="okisan_沖さん" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.niche-ad.com/okisan/">
        <![CDATA[<div class="imgYoko"><img alt="4822232050.01._SS500_SCLZZZZZZZ_V58328663_.jpg" src="http://www.niche-ad.com/okisan/4822232050.01._SS500_SCLZZZZZZZ_V58328663_.jpg" width="200" height="300" /></div>

<strong>●ベンツ、ロレックス、ヴィトンの共通点</strong>


　どんな商品にも性能や品質以外に“見栄”という要素は存在する。日常の生活で常に消費され家庭内で消費を完結するコモディティー商品であれば、性能や品質への比重は大きくなるが、他人に見られることが多く、長期使用をすること前提の製品は“見栄”という目的は非常に大きくなる。


　車、時計、カバンが本来の意義のみで使用されるのであれば、トヨタのカローラ、カシオのＧ-ショック、L.L.Beanのトートバックで十二分に事足りる。メルセデスやロレックス、ヴィトンというブランドが好きな人は品質や安全、長期メンテナンスなどを購入の動機として知人に説明することはあるかもしれない。しかし、多くの顧客はメルセデスのマーク“スリーポインテッドスター”に、ロレックスの王冠のマークに、ヴィトンのLとVの合わさったマークに第一義の魅力を感じているはずだ。


　そのブランド力（マーク）を企業が有するに至るためには性能や品質が長期間に渡って維持されていること、そしてそのブランド形成に至る物語が介在していなければならない。その点において強固なブランド力を持つ製品を購入することは、優れた製品かどうかを見極める眼力が無い場合極めて有効な方策であることは確かだろう。


<font color="009900">　人間はほめられたいものである。そして、社会で認められている価値基準は「ほめられ欲求」を満たすうえで重要な役割をはたす。
（本書２０４ページより抜粋）</font>


<strong>●ブランド品のロゴやマークを隠すことによる見栄</strong>


　大平健著の『<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4004301254?ie=UTF8&tag=nichemedianew-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4004301254">豊かさの精神病理</a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=nichemedianew-22&l=as2&o=9&a=4004301254" width="1" height="1" border="0" alt="" style="border:none !important; margin:0px !important;" />』が岩波新書から出ている。この本の中でラルフローレンの馬の刺繍をキレイに外す女の子が出てくる。


<font color="009900">　「私は今ブランド物を自分で無印良品にするのに凝ってますけど…（後略）」</font>と表現している。
さらに<font color="009900">「皆ブランド好きだもの。その中にあって品質本位っていうのは偉いって自分で思うの、へへへ。」
（「豊かさの精神病理」３８ページより抜粋）</font>


　この女の子のブランド品のマークやロゴを取るという行為の本質も「私はブランドネームでモノを選ばずに、品質で良いものを見抜く力があるのよ」ということをアピールしている。


　つまり、いかなる消費においても“見栄”や“ほめられたい”という欲望が介在しているということになるのだろうか。


<strong>●オバサンの下着やお部屋のインテリアも見栄と言えるのか？</strong>


　人間の本質としてどの消費にも「見栄」や「ほめられたい」とする願望があると本書では指摘している。忙しさも、怖いものを見たさも、愛情もつまるところは「ほめられたい」とする願望があってこそ成り立つものだと説明している。この指摘は的を射ているといえよう。強弱の差こそあれ、人間には自分を良く見せたいという気持ちがある。


　しかし本書の中で一貫した「誉められたい」とする消費者心理では説明できない消費者行動があるのではないか。たとえば女性の下着はどうだろうか。ここで指す女性の下着とは、所謂“勝負下着”ではない。勝負下着はまさに年頃の女性が“勝負の時”に男性に見せる（見られる）ことで「キレイだね」「カワイイね」と誉められることを目的としているといえる。しかし、もはや“勝負の時”を考えていない熟年女性や浮気願望も全く持っていない既婚の女性でも、キレイなレースやかわいいデザインの高価な下着を買うという消費がある。この行動は誰に誉められたいと考えているのか。旦那や我が子が「キレイだね」「カワイイね」と誉めるだろうか。


　恐らくは自己完結、自己満足の消費だ。“隠す”“矯正する”と言った下着の本質と、他人に見せないという前提においては、下着にレースがついている必要は無い。


　自宅のお部屋のインテリアも同様だ。自宅でホームパーティーをするでもして、知人に部屋を見せるつもりが全くない人がオシャレで上質な家具やインテリアを購入することもある。この消費も自己完結、自己満足の消費ではないだろうか。
“寄付”という消費もそうだ。人前で募金箱に紙幣を投入しなくても、募金や寄付をしたということを人に伝えなくても、完全に自己完結でコッソリと寄付をする人もいる。この消費は誰に誉められたいのか。


　「他人に誉められたい」という願望がなくても人間は消費をする場合もある。本書は消費に対する人間の本質が語られたもので、心理学に近いといえる。　学問とはそういうものだが、淡々と理論を体系化しているので読み物としては面白みが無い。前述のように誉められることを前提としていない消費も時にはあると思われる。きっとこの質問をすれば著者は「自分で自分にほめられたいという欲求があるのです」と回答するのだろう。


<font color="009900">　「愉快犯」ということばがある。自分にとって経済的利得はないのだが、世間をさわがせて、「それ見たか」ということで満足をえようと行動する。マスコミがとりあげてくれることが評価になっていよう。社会的にプラスの評価ではないが、「挑戦・達成・評価」が組み込まれて点では挑戦の条件を満たしているのだ。
（本書１０２ページより抜粋）</font>


　本書は人間の消費の本質を説いている。消費者心理のある側面を体型化して学ぶには良いだろう。しかし、「だからどのような製品が売れる」ということは書かれてはいない。

<br>
【オススメ度（辛口）】
<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4822232050?ie=UTF8&tag=nichemedianew-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4822232050">見栄の商品学―ああ、ほめられたい</a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=nichemedianew-22&l=as2&o=9&a=4822232050" width="1" height="1" border="0" alt="" style="border:none !important; margin:0px !important;" />　　<font color="FF9900">★★</font>☆☆☆
<br>
<br>
次回コラム予告
『「国民食」カレーで学ぶ　マーケティング入門』
<br>
<br>
【関連サイト】　
<a href="http://mba.livedoor.biz/">沖　広一郎　ブログ</a>
<a href="http://www.artmode.jp/">アールモード</a>
]]>
        
    </content>
</entry>
<entry>
    <title>ライバル不在のオンリーワン戦略～『アマゾンのロングテールは、二度笑う』鈴木貴博著</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.niche-ad.com/okisan/2006/12/post_23.php" />
    <link rel="service.edit" type="application/atom+xml" href="http://www.niche-ad.com/cgi/mt32/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=2/entry_id=998" title="ライバル不在のオンリーワン戦略～『アマゾンのロングテールは、二度笑う』鈴木貴博著" />
    <id>tag:www.niche-ad.com,2006:/okisan//2.998</id>
    
    <published>2006-12-04T02:19:51Z</published>
    <updated>2007-01-10T07:47:04Z</updated>
    
    <summary> ●泥船を沈めない戦略 　本書は「戦略」（Strategy）の本であり、戦略系コ...</summary>
    <author>
        <name>niche</name>
        
    </author>
            <category term="okisan_沖さん" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.niche-ad.com/okisan/">
        <![CDATA[<div class="imgYoko"><img alt="4062820315.01._SS500_SCLZZZZZZZ_V38568031_.jpg" src="http://www.niche-ad.com/okisan/4062820315.01._SS500_SCLZZZZZZZ_V38568031_.jpg" width="200" height="274" /></div>

<strong>●泥船を沈めない戦略</strong>


　本書は「戦略」（Strategy）の本であり、戦略系コンサルティングに企業がコンサルを依頼したらどのような「戦略」を薦めるのかが記述された本である。


　「アマゾン」（Amazon.com）であれば１年前に、「ロングテール」であれば半年前に流行ったキーワードであり、「今頃何番煎じか？」という感じがするが、本書は今までこのキーワードで書かれた本とは基本的に体裁が違う。帯に“勝者はつねに「有利な土俵」で戦っている”と書かれてあるように、あくまでも企業の有利なビジネスモデルを提示している。


　著者は優れたビジネスモデルを“泥船”に例えて説明している。企業が優れたビジネスモデルを有していない場合、船員（社員）がどれだけ必死になって漕ぎ続けても、最後は必ず沈没（倒産）する。逆に例え見てくれは泥船であったとしても、陸にあがれば、つまり絶対に沈まないビジネスモデルを確立できれば船（企業）は沈まない。
　マーケティングとは「売れる仕組み作り」だと定義するならば、戦略とは「沈まない船（企業）作り」と定義できるかもしれない。


<strong>●プロ中のプロが冷笑するビジネスにチャンスあり！</strong>


　格闘技と言えば良いのか、お笑いと定義すれば良いのか難しい「ハッスル」という舞台で元柔道の銀メダリスト・小川直也はなぜインリンに負けたのか、そして1,000円の散髪料で人気の「ＱＢハウス」の模倣企業はなぜ現れないのかという例題に明確に答えを出せる人はいるだろうか。著者はこの答えを、小川直也はオンリーワンになって消費者（観戦者）が喜ぶ術を心得ていたからであり、ＱＢハウスに至っては本家本流のプロがやりたくないビジネスだからだと示している。


<font color="009900">　自分の仕事の中で「お断りしているもの」を挙げてみて、お断りする頻度の高いものがあれば、それは新しいオンリーワンビジネスになる可能性があるのです。既存の商品・サービスのラインナップに乗らないものであればあるほど、カテゴリーに当てはまらない商品や業態であればあるほど、そのビジネスはオンリーワンになる可能性が高いのです。
（本書８４ページより抜粋）</font>


　この著者の指摘は的を射ているといえよう。企業が大きくなり、歴史がある企業になるほど「それが売れる」と分かっていても「それは我々がやることではない」として進出することに消極的になるものであるし、そのようなカテゴリーキラーをどこよりも先んじてビジネスを進めることができれば、ライバルの存在しないオンリーワンのビジネスモデルを形成することができるだろう。


<strong>●不用意な“値下げ”への警笛</strong>


　消費者が商品やサービスを購入する場合の要素は人それぞれで、その要素は１つだけということはありえない。「品質、機能、サービス、見栄、評判、デザイン、大きさ、接客態度」などなど、これらの要素の１つとして「価格」が含まれる。もちろん価格は消費者にとって購買行動の重要な要素を占めることは間違いないが、ここで大切なのは価格が安いということだけで購入する消費者はほとんどいないということである。
　生活レベルが上流の顧客をターゲットとしたビジネスをする場合、上流なのだから価格は当然“普通”より高めに設定した商品やサービスを展開するだろう。著者はその高めの具体像を「通常の2.5倍」としている。


<font color="009900">　たとえば、ある商品が、上流のニーズに合っていないから売れないときに、売りやすくしようと、価格を崩して失敗してしまうことがあります。本当は高いから売れないのではなく、商品・サービスのニーズが違っているから売れていない。
（本書１１７ページより抜粋）</font>


　本書は上流市場のあまり知られていない側面として「新幹線グリーン車に乗る人のマナーの悪さ」を指摘している。彼らには自分にマナーが悪いという認識は無く、「むしろ高価な商品を購入したことに伴う権利」（本書120頁）と捉えているのではないかと説明している。私個人のビジネス経験からすれば、「安い商品を買う人ほどクレームを言う」という認識があり、高価な買い物をする顧客ほどクレームを言わないというステレオタイプな考えがあるのだが、上流市場におけるマナーの悪い顧客の存在も否定できない。とりわけ、元からの上流家庭ではなくて、“成り上がり”の消費者ほどマナーは悪いものだという認識は間違ってはいないだろう。


<strong>●既存のケース分析ばかりでなく、提言が欲しい</strong>


　本書は単なる戦略の入門書ではなく、あまり記述されていないケース分析が多くされている。各章のタイトルを挙げてみると「なぜイトーヨーカドーはダメになったのか」「なぜ松下はマネシナクなったのか」「なぜ外資系金融マンはＢＭＷを買うのか」「なぜウィンドウズには欠陥があるのか」などなどこのトピックを見ただけでも面白い本であることが伺えるだろう。本書は“戦略の本”にありがちなフレームワークが全くと言って良いほど出てこないし、小難しい経営分析が出ることもなくとても読み易い。


　著者はコンサルティング会社の経営者だ。このようにコンサルを本職とする人が書いた本は、いかに自分が優れた分析ができるのかを見せつけるべく難解な横文字とフレームワーク満載な本を上梓することも少なくない。その点において本書は読者のニーズを捉えた良書だと言えるだろう。


　しかし、これは本書だけに限ったことではないが、この中で記述されていることは全て既に起こったか、現在起こっている過去のことだ。既存の企業の分析や、優れたビジネスモデルを有している企業の紹介はしているが、今現在問題を抱えている企業への提案が乏しい。


　読み易く優れた本であることは間違いないが、提案の少なさで<font color="FF9900">★</font>1つ減らしたい。


次回コラム予告
「見栄の商品学」

<br>
【オススメ度（辛口）】
<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4062820315?ie=UTF8&tag=nichemedianew-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4062820315">アマゾンのロングテールは、二度笑う  「50年勝ち組企業」をつくる8つの戦略</a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=nichemedianew-22&l=as2&o=9&a=4062820315" width="1" height="1" border="0" alt="" style="border:none !important; margin:0px !important;" />　　<font color="FF9900">★★★★</font>☆
<br>
<br>
【関連サイト】　
<a href="http://mba.livedoor.biz/">沖　広一郎　ブログ</a>
<a href="http://www.artmode.jp/">アールモード</a>
]]>
        
    </content>
</entry>
<entry>
    <title>コモディティだからこそウケる“ハズシ”の技術～『風に吹かれて豆腐屋ジョニー』伊藤信吾著</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.niche-ad.com/okisan/2006/11/post_19.php" />
    <link rel="service.edit" type="application/atom+xml" href="http://www.niche-ad.com/cgi/mt32/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=2/entry_id=975" title="コモディティだからこそウケる“ハズシ”の技術～『風に吹かれて豆腐屋ジョニー』伊藤信吾著" />
    <id>tag:www.niche-ad.com,2006:/okisan//2.975</id>
    
    <published>2006-11-27T04:02:49Z</published>
    <updated>2006-11-27T04:17:57Z</updated>
    
    <summary> ●「おいしい牛乳」「雪国もやし」そして「豆腐屋ジョニー」の共通点 　一見「何だ...</summary>
    <author>
        <name>niche</name>
        
    </author>
            <category term="okisan_沖さん" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.niche-ad.com/okisan/">
        <![CDATA[<div class="imgYoko"><img alt="4062135124.01._SS500_SCLZZZZZZZ_V60779863_.jpg" src="http://www.niche-ad.com/okisan/4062135124.01._SS500_SCLZZZZZZZ_V60779863_.jpg" width="200" height="324" /></div>

<strong>●「おいしい牛乳」「雪国もやし」そして「豆腐屋ジョニー」の共通点</strong>


　一見「何だそりゃ？」というネーミングや、レジに持って行くのも恥ずかしいようなネーミングを付けた商品が流行っている。そのネーミングや、パッケージングは本来のところ、顧客の心を掴むためのプロモーションに他ならない。その意味において広告で「何だそりゃ？」というTVCMを流す商品だって存在するし、そして実際に顧客の心を掴んでいる。


　例えばネーミングで言うならば、明治乳業の「おいしい牛乳」だろう。食品業界において“おいしい”などという形容詞は当たり前すぎるキーワードだが敢えてその形容詞をネーミングに付けた。続いて、TVCMで言うならば「雪国もやし」だろう。こちらはベタなネーミングでは無く、CＦで「雪国もやしは、メチャメチャ高いからみんな絶対買うなよ～」とタレントのはなわがギターで唄うメッセージを発信している。


　「おいしい牛乳」「雪国もやし」そして、「風に吹かれて豆腐屋ジョニー」これらの商品に共通するキーワード、それは“コモディティ”である。コモディティとは、日用品のことで、ブランドや社名に消費者のこだわりが弱く、基本的な機能さえ備わっていれば消費者は満足する製品のことを指す。スーパー独自のブランドを冠したPB（プライベート・ブランド）が活きる商品はコモディティである場合が多い。


<strong>●棚で目立つこと、ハズシは以外な「美味さ」</strong>


　明治乳業はこの「おいしい牛乳」において、「ナチュラルテイスト製法」という特許を取得している。「雪国もやし」においても、薬品等は使用せず、魚沼のおいしい水と原料の豆だけで栽培した本格的なものだ。男前豆腐店においてもそのコンセプトは同様で、主力商品の「男前豆腐」においては、消費者の口に入るまで水を切り続ける独自のパッケージを開発し、「豆腐屋ジョニー」においてはデザートとしても味わうことができるほどの甘さを実現した本格的なものだ。


　これらの商品は、こんなネーミングや、こんなＣＭを用いなくても十分に勝負できるだけの製品特性があるにも関わらず、どうしてこのようなプロモーションを用いるのだろう。それは一重に、このネーミングやＣＭの方が“普通”より“目立つ”からに他ならない。


　スーパーには数多くの製品が溢れている。その中でとりあえず目立つこと。そして一度試してもらったら、「意外に美味いじゃん」というＣＳの高さで、その後も選択してもらうというリピートを期待している。コモディティとはスーパーの特売で用いられる商品である。その特売に利用されず、つまりは価格ＯＮＬＹの勝負にならずに、顧客に選択してもらうには取りも直さず“目立つ”ことが最大のキーワードとなる。


<font color="009900">　味にはもちろん自信があったのですが、それでは売り場での差別化が難しい。当時はマスコミへの露出なんか全然なかったし、お客さんが「ああ、あのメーカーの新商品ね」なんて思うようなブランドも確立してなかった。パッケージで目立つしか選択肢が残されていなかったんですね。
（本書４１ページより抜粋）</font>


<strong>●クチコミを利用する安価な商品広告</strong>


　男前豆腐店のホームページを見たことがあるだろうか。フラッシュ（動画）多用の、ファンキーなＷＥＢなので仕事中にオフィスで見ないことをお勧めする。


<A Href="http://otokomae.jp/" Target="_blank">http://otokomae.jp/</A>


　この激しいＷＥＢも完全にハズシを狙ってのものだ。「男前豆腐」のヒットの要因は、ブログをはじめとするクチコミ、つまりはバズ・マーケティングによるところが大きい。男前豆腐は一切の広告を打たず、棚で「俺はココにいるぜ！」と商品自体がアピールすること、そしてクチコミ自体がメインの広告となっている。このファンキーなＷＥＢも全て計算してのことだろう。


<font color="009900">　排他的ないい方に聞こえるかもしれませんが、僕は半径100メートル以内に、自分が面白いと思っていることに同意して盛り上がれる人間がいるとは、最初から期待していない。だって、ものすごく人の裏、人の行かないところを狙っているわけで。スタート段階から僕はすでに極少数派なんですよ。


　でも、いろんな場所にバラバラに存在している少数派たちを、ネットはつなげてくれる。ジョニーに感激するような人が遠くにいながら結ばれてるんですね。会社のホームページを充実させようと考えるのも、その理由がある。
（本書９１ページより抜粋）</font>


　「豆腐屋ジョニー」のプロモーションは、スーパーで埋もれるコモディティを売るためのマーケテクに溢れている。さて、このヒットにあやかって「男のミネラルウォーター」というパクり商品まで登場した。商品企画において他者で売れているものをパクる（模倣する）のは基本なのだが、ただ単純に「男」をつければ売れると思っている安直さがいただけない。「目立つ」ことは棚で目立つことの一次的な要因で、副次的な要因に「驚きの機能（味覚）」が備わっていなければいけない。


　さてこのプロモーションを活かして次はどんな製品がベタなネーミングと、ベタなＣＭを展開してくるだろうか。私は驚きの味覚機能や、製法を持った「卵」ではないかと想像しているが、いかがだろう。


次回コラム予告
『アマゾンのロングテールは、二度笑う』
<br>
【オススメ度（辛口）】
<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4062135124?ie=UTF8&tag=nichemedianew-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4062135124">風に吹かれて豆腐屋ジョニー―実録男前豆腐店ストーリー</a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=nichemedianew-22&l=as2&o=9&a=4062135124" width="1" height="1" border="0" alt="" style="border:none !important; margin:0px !important;" />　　<font color="FF9900">★★★</font>☆☆
<br>
<br>
【関連サイト】　
<a href="http://mba.livedoor.biz/">沖　広一郎　ブログ</a>
<a href="http://www.senoby.com/">株式会社セノビー</a>
]]>
        
    </content>
</entry>
<entry>
    <title>アサヒ「若武者」への企画提案ができるか？～『なぜ、伊右衛門は売れたのか。』峰 如之介著</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.niche-ad.com/okisan/2006/11/post_22.php" />
    <link rel="service.edit" type="application/atom+xml" href="http://www.niche-ad.com/cgi/mt32/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=2/entry_id=958" title="アサヒ「若武者」への企画提案ができるか？～『なぜ、伊右衛門は売れたのか。』峰 如之介著" />
    <id>tag:www.niche-ad.com,2006:/okisan//2.958</id>
    
    <published>2006-11-20T03:54:47Z</published>
    <updated>2006-11-27T04:18:50Z</updated>
    
    <summary> ●サントリーの商品開発力、とりわけマーケティング力 　「大学生の就職したい企業...</summary>
    <author>
        <name>niche</name>
        
    </author>
            <category term="okisan_沖さん" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.niche-ad.com/okisan/">
        <![CDATA[<div class="imgYoko"><img alt="4883994449.01._SS500_SCLZZZZZZZ_V54494341_.jpg" src="http://www.niche-ad.com/okisan/4883994449.01._SS500_SCLZZZZZZZ_V54494341_.jpg" width="200" height="285" /></div>

<strong>●サントリーの商品開発力、とりわけマーケティング力</strong>


　「大学生の就職したい企業ランキング」というものがある。そのランキングで上位に常に位置しているのが、サントリーだ。日経新聞の調べでは2005年、2006年度と連続で第１位の名誉（？）に輝いている。「サントリーのどこがそんなに良い企業なのか？」とコケ落としたいところだが、どうやら聞くところによると下馬評通りにサントリーは結構良い企業らしい。その「良い企業」の基準は、社員が自由にノビノビと仕事ができる社風が企業に存在していることによるもので、大企業にしては珍しい社風であるといえる。


　サントリーという企業の強みは、商品開発力にある。とりわけ「売れる商品の仕組み作り」というマーケティング力の強みは有名だ。本書は『なぜ、伊右衛門は売れたのか。』というタイトルを付けているが、本書で記述されているのは「サントリーの商品企画力」の素晴らしさである。「伊右衛門」という商品は、そのケースとして挙げられているだけで、この本で書きたいことは、「サントリーという企業がどれだけ深い懐を持っているか」だ。


<strong>●伊右衛門はなぜ消費者にウケたのか？</strong>


<strong><font color="#0000FF">①本格嗜好</font></strong>
(ア)国産茶葉100％、無香料、無着色…急須で入れた味わい
<strong><font color="#0000FF">②老舗ブランドとのコラボレーション</font></strong>
(ア)200有余念に渡る「福寿園」との提携
(イ)「伊右衛門」…福寿園の創業者、福井伊右衛門からのネーミング
(ウ)作り手の“顔”が見えるような商品企画
<strong><font color="#0000FF">③パッケージデザイン</font></strong>
(ア)江戸時代の人が茶の携帯に竹筒を用いたのをヒントにした“竹筒ボトルデザイン”
<strong><font color="#0000FF">④サントリーの社風</font></strong>
(ア)失敗を恐れずに、挑戦を鼓舞する企業風土


　本書では大まかに分けてこれらのことが記述されている。「伊右衛門」のような商品を開発できた要因は特に最後のサントリーの企業風土とチーム制の商品開発体制というものだろう。


<font color="009900">　「商品を開発するときには、大きく分けて二つのポイントが存在します。一つはどうしたらヒットの精度を高める開発を実行できるか、もう一つはどうしたらスピードのある開発を実現するか、です。この精度とスピードの両方を満たす方法論として、チーム開発は非常に有効に機能します。コンセプトワークから開発、広告販売に至る商品誕生までのプロセスを、チームメンバー全員が共有することで開発スピードにドライブがかかり、メンバーの衆知を集めることで開発クオリティが練り上げられ、ヒットの精度が高まっていくのです」
（本書５１ページより・サントリー斉藤社員のコメントを抜粋）</font>


<strong>●アサヒの「若武者」がサントリー「伊右衛門」に勝てないこと</strong>


　「伊右衛門」のヒット要因は老舗ブランドの福寿園とコラボできたことによるところが大きい。緑茶飲料で確実なシェアを維持し続ける「お～いお茶」が人気なのは伊藤園という看板が付いていることで、消費者が“本物の中のホンモノ”をイメージするからだろう。


　ビールと同じく、緑茶飲料でブランド名を隠して味覚だけで評価する「ブラインドテスト」をして「伊右衛門」を選出できる消費者はほとんどいないだろう。特に、「伊右衛門」とアサヒ「若武者」のスッキリ感はとてもよく似ている。「伊右衛門」が大ヒットした理由が前述の４点だとすると、アサヒはどうすれば「若武者」をヒット商品に押し上げることができるだろうか。


　「若武者」も「伊右衛門」と同じく「国産茶葉100％」であり、「二段仕込製法」という本格的な緑茶抽出方法を取り入れている。さらには静岡県川根を代表する煎茶専業農家 「丹野園」と提携し、“第57回全国茶品評会優勝”という輝かしい実績を持つ丹野浩之氏が茶葉をこだわったものだ。伊右衛門と若武者のどちらが「作り手の顔」が見えるかと言えば、「若武者」の方である。では、「若武者」なんてネーミングは止めて、丹野氏の曽祖父であり、手揉み茶流派「川根揉切流」の創始者である中村光四郎から「光四郎」というネーミングに変えればヒットするだろうか。もしくは「丹野園」という煎茶専業農家のブランドを付けたら良いだろうか。さらにはパッケージデザインも川根茶の雰囲気を最大限アピールするような“一工夫したもの”に変え、アサヒの社風をサントリー以上に失敗を恐れずにチャレンジするものにできたとするとアサヒから大ヒットの緑茶飲料が登場するのか。


　「なぜ、伊右衛門は売れたのか。」とタイトルに書くならば、他の緑茶ブランドがしていないことが書かれていなければならない。本書で書かれている内容は間違ってはいないが、読まなくても分かることばかりである。本書では他の緑茶ブランドとの比較検討が全くなく、専らサントリー内部のことばかりである。多くの読者が感じるのは「サントリーは良い会社だなぁ」というものであり、「なぜ、伊右衛門は売れたのか」ではないだろう。


　コカ・コーラの「一」が緑茶飲料で上位のシェアに入るのは、自動販売機の数が国内で飛びぬけた数あるためで、商品力以上に販路に強みを持っているからだ。アサヒがサントリーに勝てないのは、企業の規模と、それに応じた開発費と広告にかけるコストである。


　「開発費と広告費が無ければメジャーに勝てない」などということは、貴方がマーケッターであるならば絶対に言ってはならぬ禁句である。しかし本書には商品企画の本質が描かれていない。本書はサントリー礼賛なので就職活動の学部生が読むには優れた書籍である。


次回コラム予告
『風に吹かれて豆腐屋ジョニー』伊藤信吾著
<br>
【オススメ度（辛口）】
<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4883994449?ie=UTF8&tag=nichemedianew-22&linkCode=as2&camp=247&creative=1211&creativeASIN=4883994449">なぜ、伊右衛門は売れたのか。</a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=nichemedianew-22&l=as2&o=9&a=4883994449" width="1" height="1" border="0" alt="" style="border:none !important; margin:0px !important;" />　　<font color="FF9900">★★</font>☆☆☆
<br>
<br>
【関連サイト】　
<a href="http://mba.livedoor.biz/">沖　広一郎　ブログ</a>
<a href="http://www.senoby.com/">株式会社セノビー</a>
]]>
        
    </content>
</entry>
<entry>
    <title>大トロはコハダより儲からない～『餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか？』林總著</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://www.niche-ad.com/okisan/2006/11/post_21.php" />
    <link rel="service.edit" type="application/atom+xml" href="http://www.niche-ad.com/cgi/mt32/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=2/entry_id=933" title="大トロはコハダより儲からない～『餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか？』林總著" />
    <id>tag:www.niche-ad.com,2006:/okisan//2.933</id>
    
    <published>2006-11-13T03:44:42Z</published>
    <updated>2006-11-13T05:19:28Z</updated>
    
    <summary> ●オチが最初に分かっていても売れる本、それが「会計」 　最近このような本が流行...</summary>
    <author>
        <name>niche</name>
        
    </author>
            <category term="okisan_沖さん" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www