沖さんコラム

取材記事


シモネタ商品は通販ビジネスの王道~『10倍儲かる通販ビジネスの秘密』臼井由妃著

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●まずは経営者が広告塔になれ


 株式会社健康プラザコーワの代表をつとめる臼井由妃氏であるが、彼女は“マネーの虎”の呼称の方が認知度は高いだろう。経営が大成功し、その業界で飛びぬけた実績があったからこそ、マネーの虎のような番組に出演できたことは確かであるが、飛びぬけたビジネス実績を持つ社長の多くは自分自身が広告塔となって事業を成長させている。


 社長の一番大切な仕事は何か。それは、自らが会社の顔になり、商品や情報など、会社が持っている売りものを世の中に広めること。つまり「歩く広告塔」となることだ。
(本書144ページより抜粋)


 “通販の女王”という呼称をタイトルで付けられているように、彼女が通信販売というジャンルで卓越したノウハウと実績を持つことも間違いが無い。本書はその彼女が持つ通販のノウハウをまとめた本となっている。


●商品の選定と、真綿で首を絞めるネット通販


 臼井氏は本書の中で「商品選びが通販ビジネスの成功5割を握っている」と記述している。普通通販ビジネスにおける商品選びの大前提は全くオリジナルな商品を販売しなければならないと考えられているが、臼井氏はオリジナル商品の原則にも異を唱え、仕入れ商品でも売る方法はあるという持論を本書で展開している。


 仕入れ商品で、他社と差別化をするのが難しいと思われる商品ならば、テーマと情報をより具体化する。
(本書69ページより抜粋)


 具体化とは、頒布会形式や、商品名の変更、組み合わせ、パッケージの変更などをして、オリジナルの商品に変容させるということだ。仕入れ商品をそのままの形で販売すれば、なにもそこから買わなくてもどこでも買えるということになる。その限定力の弱さは価格競争に繋がり、仕入れ販売である以上その粗利はどんどん小さくなる。通常通信販売での粗利は5割~7割と言われており、価格競争で粗利が数%になってしまうと今度は最も大切な広告費を削るという悪循環に陥ってしまう。通信販売において広告費を削るということは携帯電話のアンテナの数を減らすようなものだ。完全オリジナルで無い商品を商材として扱う場合、その商品を変容させてオリジナルな商品に変える工夫は絶対に必要になってくる。


 ネット通販はどんなに見せ方を工夫して、魅力ある商品に見せようと最後に消費者はネット上で売られている同商品の最安値のショップで買うことになる。ネットに高関与な消費者はその中で一番安い商品を選ぶ力があるので、ネット通販において価格競争は必然なのである。その結果、カタログ通販、折込チラシの通販、TVショッピングなど、これらの媒体で販売を伸ばしてきた通販ビジネスの多くの企業はインターネット通販に否定的な見解を持っているだろう。


●通信販売でインターネットを味方につけるには


 しかし本書の臼井氏はネット通販をも味方につける方策を説いている。Eコマースでネット通販をしようと思う場合、まずほとんどの会社は知名度が無いので、どんなに魅力ある商品を扱っていても世間には認知されることは難しい。そこで楽天やYahoo!というショッピングモールに出店するべきではないかと考える。しかし臼井氏はこのショッピングモール出店に否定的な見解を示している。


 ショッピングモールに参加することによって、得られるであろう「集客力」や「知名度」といったプラス面よりも、マイナス面のほうが大きいのではないか。
(本書163ページより抜粋)


 この意見は全くその通りだと私も考える。ショッピングモール出店経費はとても高額で、この経費はいくつの商品を売ってペイするのかを考えるべきであろう。一方、臼井氏が強く勧めるネット通販で重要な働きをする媒体は“ブログ”であるとしている。


 経営者の思いやこだわりを伝え、お客様に安心心を抱いてもらう。ブログは、サイトひいては会社のファンづくりに一役買っている。
(本書172ページより抜粋)


 消費者が通信販売を“アヤシイ”と考えるのは当然のことで、そこで経営者が顔写真と実名で出てくることは消費者の信頼に繋がる。そして社長がブログを連載することで、多くのファンを獲得することができるし、SEOにも大きな効力を発揮するのである。


●シモネタ商品と3つのキーワード


 臼井氏はロングセラー商品を支えるには「ダサイ・クサイ・暗い」(本書41ページより抜粋)の3つのキーワードがあると本書で述べられている。


 通信販売の多くは電話で受注する。FAXやハガキ、インターネットなどの受注方法もあるが、いずれにせよ注文をしてから手元に届くまで数日のタイムラグがある。そして実物を見ていないのだからどんなものが届くのか不安だ。何しろ通信販売でモノを買うというのは消費者にとって面倒で不安なのである。それにも関わらず商品を購入するというのはそれなりの“ワケ”があるのであって、臼井氏はそのワケを上記の3つで表現しているのだろう。


 早速臼井氏の経営する健康プラザコーワのWebを閲覧してみる。TOPページの中央にデカデカと広告している商品は男性性器の勃起不全解消グッズである。次に売れていると思われる商品(サイドバナーの2番目にランクされている)は性行為の潤滑ゼリー、その名も『ジェリー1919(イクイク)』である。確かにこれらの商品は“ダサイ・クサイ・暗い”の三拍子揃っており、街中で購入するのが躊躇われる商品だ。一見すると、売るのも恥ずかしい商品も照れずに臼井氏は「コレが通販のマーケティングだ」として説明しているところが素晴らしい。


 効果や効能は薬事法の関係もあり、パンフレットやホームページでストレートな表現はしにくいが、商品名ならば表現できる場合もある。
(本書93ページより抜粋)


 本書を読んで、健康プラザコーワのWebを隈なく読めば通信販売で売れる商品と、売り方のノウハウを学ぶことができるだろう。



【オススメ度(辛口)】
“通販の女王”が初めて明かす 10倍儲かる通販ビジネスの秘密  ★★★★




次回コラム予告
「一杯のカフェの力を信じますか?」佐藤裕久著



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掲載日:2007/02/19