沖さんコラム

取材記事


幸運の女神の髪型と戦略的シンクロニシティ~『シンクロニシティの法則・顧客は追いかけるな!』ジャン・ストリンガー&ステーシー・ホール著

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●幸運の女神の髪型


 人生には、「あまりにも出来過ぎた偶然の一致」というものがある。それを“シンクロニシティ”と呼ぶ。
 私はこれまで多くの「成功本」、「金持ち本」を読んできた。その中で多くの億万長者が大切だと考えている成功法則がある。それは「偶然の一致を見逃すな」というものだ。


「幸運の女神の髪型」という話がある。多くの人は「自分に幸運の女神が来ないかなぁ」と考えている。そこで幸運の女神が自分の前を通ったら髪の毛を掴んでやろうと考えているのだが、それでは幸運の女神を掴むことはできない。成功者は幸運の女神の前髪を掴む。自分の前を通ったら掴むのでは遅いのだ。なぜなら、幸運の女神の髪型は後ろ髪を前に垂らしているからである。


 成功者は「自分の前を通り過ぎたら」なんて悠長なことはしない。彼らはいつ自分の前を通っても良いように待ち構えている。


 成功本も金持ち本もいつチャンスが来ても良いように待ち構えていることを推奨しているのだが、本書はそのチャンスを自分のところに引き寄せ、そのチャンスをマーケティングに活かそうということが記述されている。


●人には生まれつき、望むものを引き寄せる能力がある


 シンクロニシティの考え方と、人間の顕在能力の話は類似している。いずれも簡単に言うと「思いは実現する」というものだ。この考えは若干、宗教染みている。この考えが本当ならば「宝くじで1億円が当たりますように」と思い願っていれば本当に当たるという感じに取られ兼ねないからだ。宝くじも買わないことには当たることは無いし、宝くじで1等を当てる人の共通項は「自分は当然当たると思っていた」というように、強ちこの例えも真っ赤な嘘というものでもない。しかし、本来のシンクロニシティや人間の顕在能力というものは「意識するかしないかで見えるものが変わってくる」というものだ。


 実際に自分が欲しいものを具体的に頭に思い描いていることで、ここで大切なのは“常時”思い描いていることで、それに関係するものや、そのものズバリに身体や心が反応するということを指している。人間には誰しも平等に1日24時間というものが回ってくる。その平等な時間の流れの中で、意識するかしないかでチャンスを掴むことができるかできないかが変わってくる。


 このように平時から意識することで、「あまりにも出来過ぎた偶然の一致」(シンクロニシティ)を掴むのである。本書の中で記述されているように、このシンクロニシティの考えをマーケティングに応用するというのはどういうことか。それは簡単に言えば、“自分が求める顧客の具体像”を明確にしておくということだ。


 シンクロニシティが次々と起こる関係を築く秘訣は、ビジネスの場では普段話題にのぼらなかったようなことを顧客と話し合うことである。つまり、顧客を毎朝目覚めさせる動機や使命について話し合うのだ。顧客を動機づけるものや、顧客が人生で何を大切にしているかを知れば、顧客の目標達成の手助けが容易になる。また、顧客の成功は、あなた自身のビジネスの成功にかかっていると思えるようになる。あなたのビジネスがうまくいけばいくほど、顧客を助ける余裕が生まれるからである。
(本書126ページより抜粋)


 マーケティングとは多くの人が指摘しているように「売れる仕組み作り」である。その売れる仕組み作りにおいて重要なのは「優良な顧客の選別」にある。その点で、優良な顧客か、時間の無駄な顧客かの選別を平時から明確にしておくという本書の指摘はマーケティングとは何たるかを分かっている人の言葉と言えよう。


●シンクロを連続させよ


 前述したが、シンクロニシティや顕在能力の話は100%絶対の科学的根拠が欠如しているので宗教チックであることは否めない。「夢を肉筆で紙に書け!」だの「夢を手帳に書いて持ち歩け!」というだけで夢が実現するならば誰も苦労はしないのだ。そのような理由で成功者が「シンクロニシティは大切だ」と説いてもそれを実行に移す人はほとんどいない。だからこそ効果があるのだし、平時から「こうありたい」という憧れの自分を意識していることで、アンテナの精度は確実に向上する。


「戦略的シンクロニシティ」を続けて体験するには、望みが実現したとき、うろたえず、望みどおりになって当然のように振る舞えなくてはならない。そのためには、日頃から準備しておく必要がある。
(本書57ページより抜粋)


 あなたにとって完璧な顧客を誘引させるために「A4の用紙を4枚用意しなさい」と本書では依頼してくる。(本書113頁)このように本の中で実際に書くことを指示してくる書籍はゴマンとある。果たしてあなたは素直に紙と鉛筆で書き始める人ですか、それとも面倒くさがったり、恥ずかしがってやらない人ですか?


 それ以上に、あなたはこのような文章を読んだことをシンクロニシティだと感じることのできる人ですか?






次回コラム予告
『餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか? 』


【オススメ度(辛口)】
顧客は追いかけるな!―48時間で顧客が集まるシンクロニシティの法則  ★★★☆☆




【関連サイト】 
沖 広一郎 ブログ
株式会社セノビー

掲載日:2006/11/06